●食物繊維-快便のために
食品に含まれている、消化酵素で消化されない成分のことです。一般に植物由来で、セルロース、ペクチン、リグニンなどの食物繊維と呼ばれるものです。
食物繊維の供給源としては、全粒穀類、根菜類、果物などがあります。
食物繊維は体の構成成分やエネルギー源にはならないので、かつては役に立たない食べかすと考えられていましたが、実は唾液や胃液の産生を促す、便秘、糖尿病、肥満、炎症性の腸疾患、血液中の余剰脂肪に対して、それらを予防したり、治したりするのに役立っていることがわかったのです。
少量の繊維質は栄養素の吸収を促進しますが、過剰に摂ると、小腸で脂肪やコレステロールが吸収されるのを阻害します。
そのため、良質な繊維質を少量摂ることが好ましいのです。
水溶性食物繊維
調理した野菜や米類などに含まれていて、食べ物の粘り気を増します。
その結果、食べ物が胃の中に長くとどまることになり、小腸での消化と栄養の吸収がゆっくりと行われるのです。
熟した果物の多く含まれるペクチン類、海藻に多く含まれるアルギン酸などの海藻多糖類なども水溶性食物繊維です。
不溶性食物繊維
糟やふすまなどの不溶性の食物繊維は、水分を含んだ便の量を増やしてくれるので、排便をスムーズにします。
野菜や穀類、豆類に含まれるセルロース、ココアや豆類に含まれるリグニン、エビやカニの殻に含まれるキチンなども不溶性食物繊維です。
また、線維質には非発酵性と発酵性があります。
非発酵性線維質
未消化のままで腸を通過することで、「かさ」を与え、便の排泄を促進します。「セルロース」
発酵性線維質
腸のなかで発酵し、危険な細菌を退治してくれる線維です。
また、腸内で腸内細胞にエネルギーを供給する短鎖脂肪酸に分解されます。
適度な発酵性の線維質は、「かさ」を増やして便の排泄を促進すると同時に、腸内細胞にエネルギーを供給するという二つの働きをします。
ビートパルプ
ビートパルプは、砂糖大根から砂糖の抽出した残りですが、糖分は含まれていません。
安全性の高い線維資源とされます。腸内で水分を吸って膨張し、栄養素の消化・吸収をする時間的な余裕を作ります。
犬や猫では、ごく少量の食物繊維が糞便量を決めるので、便秘や下痢の予防にも有効です。