●ウェットフード
ウェットフードは、缶詰やアルミトレー、レトルトパウチなどの密封容器に入っているフードです。
オールミートタイプとレーションタイプに大別されます。
ウェットフードには、総合栄養食もありますが、牛肉や鶏肉の缶詰の多くは、「栄養補完食」です。
総合栄養食には、6つの基本的な栄養素であるタンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラル、水分が含まれていますが、栄養補完食では、それらが全部含まれているわけではありません。また、エネルギー量も低く、低カロリーです。
牛肉や鶏肉、ラムなどの畜肉を原料にしているので、脂肪が多く含まれているのではないかと思いがちですが、実際には1.5~4%程度の脂肪しか含まれていません。豚ヒレ肉(1.7%)、鳥ムネ肉(1.9%)と同じぐらいです。
総合栄養食のドライフードの保証成分
粗タンパク質 25.0%以上
粗脂肪 14.0%以上
粗繊維 2.5%以上
粗灰分 5.3%以上
水分 9.5%以下
100g当りエネルギー 406kcal
国産のウェットフード(牛肉の角切り缶詰)の保証成分
粗タンパク質 12.6%以上
粗脂肪 2.0%以上
粗繊維 0.5%以上
粗灰分 1.1%以上
水分 84.7%以下
100g当りエネルギー 85kcal
栄養補完食のウェットフードは、総合栄養食のドライフードと混ぜて与えることで、次のようなメリットがあります。
消化しやすいタンパク質の補充ができる。生肉に近い食感と匂いがあるので、犬の食欲をそそる効果がある。
水分含有率が高いのでドライフードの消化を助ける。夏場の水分補給にも役立つ。
ゼリー状のとろみ部分をドライフードに絡ませることで、食いつきが良くなる。とろみの成分は主にタンパク質や炭水化物で、必須栄養素もたっぷり含まれている。
ウェットフードは、製造工程で、原料の肉は、生の状態で缶に密閉された後、すぐに120℃の釜に入れられて加熱調理されています。
密封された状態で加熱殺菌が行われるため、雑菌が入ったり、酸素に触れることがないので、防カビ剤や酸化防止剤を入れる必要がありません。
きちんとした原料を使っていれば、缶詰のウェットフードは安心できるフードですが、使い残した場合には、冷蔵庫で保管して、早く使い切るようにします。
初めてウェットフードを与えると、犬の便がやわらかくなることがありますが、普段のものとは違うものを食べたので、消化器官が対応できなかった場合が多く、一時的なものです。最初は少量をトッピングして、徐々に増やしていきます。
粒状のドライフードでは、水分含有量は10%以下ですが、ウェットフードには、水分が75%以上含まれています。