●繊維質


食品に含まれている、消化酵素で消化されない成分のことです。


一般に植物由来で、セルロース、ヘミセルロース、ペクチン、リグニン、オリゴ糖などです。


食物繊維の供給源としては、全粒穀類、根菜類、果物などがあります。


食物繊維は体の構成成分やエネルギー源にはならないので、かつては役に立たない食べかすと考えられていましたが、実は唾液や胃液の産生を促す、便秘、糖尿病、肥満、炎症性の腸疾患、血液中の余剰脂肪に対して、それらを予防したり、治したりするのに役立っていることがわかったのです。


ごく少量の食物繊維が糞便量を決めるので、便秘や下痢の予防にも有効です。


純セルロース、リグニンといった非消化性・不溶性繊維は、腸管の収縮を促し、消化作用を促進します。


水溶性のペクチン、フラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖は、消化管の健康と清浄な状態にする役割を果たします。


フラクトオリゴ糖/F0S/発酵性繊維


発酵性繊維は、消化されませんが、腸内細菌叢の働きで発酵し、揮発性脂肪酸を遊離します。その脂肪酸が次のような作用をします。


1. 腸内環境を酸性にする。


2. 大腸の細胞の栄養源になって、大腸壁の細胞を増殖させる。


3. ビフィズス菌や乳酸菌の細菌叢の発達を促し、病原菌の増殖を阻止する


4. 消化作用や栄養分の吸収を促進する


マンナンオリゴ糖/MOS/繊維質


腸内細菌のバランスを適切に維持するのに、役立ちます。マンナンオリゴ糖は、グルコース、マンノースという2つの糖質で作られています。


1. 病原菌が腸粘膜に付着するのを妨げ、病原体の発育を阻害する


2. 体内の免疫システムを強化して、病原菌の増殖を抑制する