シスチン(含硫アミノ酸・タンパク質)


被毛を作っている成分の70~80%がタンパク質です。


皮膚の付属器官とも呼ばれる被毛は、つめなどと同じで、ケラチンタンパク質でできています。ケラチンタンパク質は、19種類のアミノ酸でできています。


ケラチンタンパク質を作っているアミノ酸の中で、最も含まれている量の多いのがシスチンです。


硫黄を含んでいるアミノ酸なので、含硫アミノ酸とも呼ばれます。毛が焦げたときの独特の臭いはこの硫黄成分が焼けたためです。


シスチンは、システインというアミノ酸がふたつつながったものです。皮膚のケラチンタンパク質には3%しか含まれていないシスチンが、被毛には16.6~18%も含まれています。


皮膚には、水分、天然保湿成分(NMF)、脂質(コレステロール、セラミドから分泌)があって、それらのバランスが皮膚の健康に大切な役割を果たしています。


この3者のバランスをモイスチャー・バランスと呼びます。


天然保湿因子(NMF)は、水溶性の成分で、適度な水分(20~30%)を含有することで、皮膚に柔軟性を持たせ、なめらかな肌を守っています。


その主成分はアミノ酸、あるいはピロリドンカルボン酸などのアミノ代謝物で、表皮(角質層)に含まれるアミノ酸の量が少なくなるほど、皮膚が乾燥することになります。