タンパク質の働き-成長と筋肉と被毛のために


タンパク質は、生きていくためには欠かせないものです。


筋肉や骨、皮膚や体毛はもちろん、酵素や新陳代謝をつかさどるホルモン、病気から体を守る抗体なども、全てタンパク質です。また、栄養素を体中に運んだり、エネルギー源として使われます。


タンパク質はホルモンのコルチゾンなどの働きで分解され、遊離アミノ酸として消費されますが、大きく分けて2つの働きをします。


1.糖質に変換されて、エネルギー源になる


2.筋肉や細胞などのタンパク質になる


必要なエネルギーを食べ物から摂取されるタンパク質だけではまかなえない場合、体内のタンパク質が分解されて、エネルギー源として使われます。


タンパク質がエネルギー源として利用される時に、体に有害なアンモニアが作り出されます。肝臓と腎臓は、有害なアンモニアを無毒化して尿素に変換します。たんぱく質の分解によってできた窒素の90%以上が、肝臓と腎臓で尿素に変換され、尿中へ排出されます。


たんぱく質が足りなくなると、被毛がパサパサになったり、食欲が落ちて体重が減って、病気にかかりやすくなります。特に成長期やケガをした時には、新しい体の組織を作るためにより多く必要になります。


幼犬は、成犬よりはるかにタンパク質の欠乏の影響を受けます。


成長が遅れたり、体格のバランスが損なわれ、貧血や血中タンパクの減少が起きたり、抗体が欠乏して病気にかかりやすくなります。


被毛の成分の70~80%はタンパク質でできていて、その成長は全体で1日、30メートル、1日に必要とされるタンパク質の30%を消費するという報告もあり、健康な被毛を維持するためにも、タンパク質を摂ることは大切になります。


腱やじん帯のタンパク質はゆっくりと、胃腸粘膜のタンパク質は速く、新陳代謝しています。


過剰なタンパク質を与えると、次のような弊害が出ると指摘されています。


1.慢性的な腎疾患を進行させる


2.排尿や肝機能に障害がある場合、ストルバイト尿結石がある場合には、問題を生じる