犬の栄養学
●栄養とは何か
動物は、生きていくために、食物から栄養素を取り入れます。そして、新しい栄養素と老廃物を置き換える新陳代謝を行います。
広い意味では、水や空気も栄養素ですが、一般的にはタンパク質、脂肪、炭水化物を3大栄養素、それにビタミン、ミネラルを加えて、5大栄養素と言います。
タンパク質、脂肪、炭水化物は、筋肉や血液など体を構成する成分やエネルギー源になります。タンパク質や炭水化物は、1g当り4kcalのエネルギーを発します。脂肪は、発熱量が多く、1g当り9kcalのエネルギーを発します。
ビタミンとミネラルの1日の必要量は微量ですが、栄養素が体内で作用するための手助けをする大切な働きを担っています。
動物は、体内の組織や機能を維持するために、それぞれの栄養素が連鎖的に関連して、作用しています。そのため、「体に良いから」と特定の栄養素を含む食品だけを食べていると、体内の栄養バランスが崩れてしまいます。
一般的に、その動物が必要とするエネルギー量(所要量)は、体重当りの体表面積に比例すると言われます。体の小さい動物ほど、体重当りの体表面積が大きく、体表面積が大きいほど、体から失われる熱量は大きくなると考えられます。
成犬の栄養要求量 (成人男性との比較)
タンパク質 人の2倍
カルシウム 14倍
リン 5倍
鉄 4倍
ビタミンA 1.6倍
ビタミンB1 0.6倍
塩分 0.3倍
成犬の必要カロリー
体重1kg当り50~110kcal (成人男性の1.4倍~3.1倍)