●1日の食餌の回数と量
食餌の時間はできれば決まった時間に与えた方が望ましいと考えられます。
決まった時間に与えていると、犬がそれを覚えて催促するようになるので、食餌の時間は決めてはいけないとも言われます。
しかし、身体は毎日の生活のリズムを記憶しているので、それに伴って自然に各器官の働きを最善にするので、消化器官が良い状態で働くためには、同じ時間に給餌することが望ましいからです。
犬の1日の食餌回数と量は、年齢によって異なります。
*生後3ヶ月までは、1日4回 (1日6回を勧める人もいます)
*生後6ヶ月までは、1日3回
*それ以降は、1日2回 +お昼に少量のおやつ
成長期の子犬の場合には回数は多めに、ただし消化力が弱いので、1回に与える量は少なくします。
大型犬でも、小型犬でも、食餌を1日に朝夕の2回に分けるパターンを勧める考え方は、次のような根拠からです。
*一度にたくさん食べるよりも消化吸収が良く、消化器官にかかる負担が少ない。
*ドライフードでは、胃液を急速に吸収するので、おなかが張って消化不良の原因になることがある。
*犬の食に対する満足度を満たすことで、ストレスを与えない。
昼間におやつを少量あげるのは、空腹時の胃液の急速な分泌を防ぐとともに、空腹のストレスを緩和できると考えるからです。ささみのゆでたものや、生のニンジンなどがお勧めです。
ただし、おやつは1日分の食餌カロリーの1/10程度にとどめ、肥満にならないように気をつけて下さい。
朝はふやかしたドライフードにサプリメントを加えて与え、腹八分目の満足感が得られるようにして、夕方は歯の健康のため硬いビスケットをあげるという給餌パターンを勧める専門家もいます。
●犬と満腹感
ラブラドールレトリーバーやドーベルマンは、ガツガツと飲み込むような食べ方をします。このような犬たちには、食後の満腹感がなく、交感神経の活性が高いままという研究結果が発表されています。
ジャーマン・シェパードやバセット・ハウンドは、ゆっくりとした食べ方で、食後には副交感神経が活性化して、満腹感を示します。
いくらでも食餌を欲しがる犬の場合には、食後に満腹感を得ていない可能性があります。そのような食性を治すには、少量を分割して給餌する装置などを使って与える「遅延給餌」という方法があります。
早食いのラブラドールに、ジャーマン・シェパードが食べる速さで給餌したところ、副交感神経が活性化して、満腹感を示したと報告されています。