●きずなを育む犬との暮らし


犬は人間社会で暮らす運命の下に生まれてきます。人間とともに生きるためのルールを教えるのは、飼い主です。


(1)犬の不思議な力は、飼い主とのきずなが深いほど、強くなる。


飼い主が家に帰ってくるのがわかる犬、飼い主の心臓発作がわかる犬など、犬のなかには、超感覚的知覚(ESPと呼ばれる不思議な力を持つものがいると報告されています。


そして、その力は、飼い主と犬とのきずなが深いほど、強くなると考えられています。日々の生活を共にしながら、飼い主と愛犬の間には、目には見えないけれど、確かなきずなが築かれていくのです。そのきずなを大切に育んでいくのが、犬との暮らしに他なりません。


(2)犬の飼い主になるということは、その犬の親になるということ。


子犬は、人間社会のルールのなかで生きることを学ばなければ、幸せにはなれません。


「子どもは親に似る」と言いますが、「犬を見れば飼い主がわかる」とも言います。形や思い込みではなく、日々の接し方そのものが「親としての愛情」によるものでなければならないのです。


本当の親の愛情は、甘やかすだけではなく、時にはしっかり叱るというものです。良いことをほめ、好ましくないことには罰を与えるという一貫した接し方が、犬の性格を形成する根幹です。



(3)家族の負担にならないように育てる。


朝早くからワンワン吠えて散歩をねだるので、家族はいつも睡眠不足。それが15年も続くとしたら、大きな負担になります。


普段の家族の生活リズムを乱すことなく、犬との暮らしも営まれなければなりません。そうすれば、犬も家族の一員として安定した状態で暮らせ、家族からの愛情も感じやすく、しつけもしやすくなります。


犬に対しては、家族全員が同じ接し方をしなければなりません。犬は子どものおもちゃではありません。犬の成長とともに子どもさんも育っていくと考えて、ルールを守らせてあげて下さい。


(4)いちばん大切なことは「あきらめないこと」。


犬にも能力に差があります。決してあきらめないで、犬の可能性を信じてあげましょう。犬にとっては、頼りにできるのは飼い主以外にはいません。