しつけ教室、それともしつけ方教室


しつけは犬に対して行うものですが、飼い主が「犬のしつけ方」を習得して、それを日々、家庭で実践することが、犬をしつけることになります。


ですから、「犬のしつけ教室」ではなく、正しくは「飼い主が犬のしつけ方を学ぶ教室」なのです。


(1)「犬のしつけ方教室」は、その場で犬をしつけるものではありません。


「教室に参加したけれど、犬に変化が見られなかった」という感想を聞くことがあります。しかし、短時間に劇的な変化を見せる犬はまれなのです。


「犬のしつけ方教室」とは、犬を上手にしつけるための方法を飼い主が学び、それを日常生活で実践してもらうことが目的です。


(2)「しつけ」と「訓練」とは同じではありません。


警察犬や盲導犬などの使役犬に行われるのは、「訓練」です。その訓練を受けるには、それなりの肉体的、あるいは精神的な成熟が必要になりますから、使役犬でも最初は人と一緒に生活していくための基本的な「しつけ」をするのです。


犬の訓練とは、明確な目的に向かって犬を仕上げていくことです。しつけとは、犬が人間と暮らすためのルールを学んで、周りの家族や社会と折り合いをつけて暮らしていけるようにするものです。


ですから、犬のしつけは、訓練とは違って、子犬の時から始めることが好ましいのです。


(3)いつから、しつけを始めればいいのでしょうか?


犬は生後1ヶ月~4ヶ月の間が、仲間の犬や人間、それ以外の動物などに対して全てを受け入れる時期とされています。この時期にさまざまなふれあいを経験することで、犬のもつ攻撃性を抑えることができると言われています。


また、食餌やおもちゃを子犬の競争心をあおらないような方法で与えれば、それらに関わる攻撃性も予防できると考えられています。


あるいは、いろいろな場所に出かけることで、どんな環境に置かれても、穏やかな状態でいられる、ストレスに強い落ち着いた犬に育てることもできます。


子犬の時期でのしつけで、本来犬が生まれもっている習性の中でも、人にとって困ること、攻撃性や破壊行動、吠えすぎるといったことを予防できます。


成犬になっても、しつけはできるのですが、生後8ヶ月ぐらいまでの成長期がいちばんしつけがしやすい時期とされています。