アニマルセラピー


●アニマルセラピーの定義


1980年代にアメリカのワシントン州にデルタ協会がアニマルセラピーを二つの定義に分けました。AAA(動物介在活動)とAAT(動物介在療法)です。


1.アニマル・アシステッド・アクティビティ(AAA)

  動物介在活動 (Animal Assisted Activity)


基本的に、ペットと人々が触れ合う活動で、病院や施設などでの特別なプログラムとしてではなく、訪問活動にも治療上のゴールを定めないボランティア活動です。治療のゴールは漠然としている。



ボランティアも同じ人が来るわけでなく、流動的。


ボランティアは対象者の情報をほとんど知らない。


記録が詳細に取られているわけではない。


きちんとした評価がなされているわけではない。


AAAでは、動物を医療現場に介在させて、何らかの効果を期待するものです。


初めに介助者が動物を連れて、利用者に近づくと、その人は動物に興味を抱き、交流が始まります。続いて、介助者が動物の話題を軸に利用者とコミュニケーションをはかります。動物の存在が、人と人との仲介者の役割を果たします。


「言葉を話せない子どもや自閉症、強迫神経症の子どもなどは、まず動物との関係を作り上げてからセラピストとの関係をつくり、さらに、それ以外の人々との関係へ広げていきます。


愛情や無条件の思いやりが必要とされているところに、動物が介在するのです。」(児童心理学者/ボリス・M・レビンソン)


2.アニマル・アシステッド・セラピー(AAT)

  動物介在療法(Animal Assisted Therapy)


治療のゴールを設定します。医療の専門家、医者や看護婦、ソーシャルワーカー、作業・心理・言語療法士などがボランティアの協力を得て、治療上のどこで動物を参加させるかを計画します。


治療のゴールとは、


「身体的」には動けるようになること。車いすに乗れるようになること。


「精神的」には不安や孤独感を減らし、周囲の人達とコミュニケーションがとれるようになる。


「教育的」には語彙を増やす、記憶力を促進させる、大きさや色などの概念の知識を増やす。


「動機づけ」としてグループ活動に参加することや、他人やスタッフとの相互作用が増加することなどがあります。


進捗状況を測定し、記録をとります。