犬が怖い人の心理


●動物恐怖症


人間の遺伝子には、動物をこわいものとする「動物恐怖症」の因子が組み込まれているという説があります。原始時代に野獣から逃げ回っていた時の経験がDNAに刷り込まれているというものです。


あるいは、親が「動物や昆虫が怖い」と感じていると、その恐怖感が子どもにも受け継がれるのではないかとも言われています。


大人で、動物や昆虫が怖いという人に聞いてみると、ほとんどの人が5歳ぐらいから恐怖を感じるようになったと答えています。


5歳から12歳までの子どもを調べてみたところ、全体の14%は動物が怖いと感じていましたが、直接的な動物による恐怖体験をしていた子どもはわずか2%にしか過ぎないということが分かりました。


確かに幼少期に犬に吠えつかれた、追いかけられた、咬みつかれたといった経験をすると、それが「犬は怖いもの」という心の傷となって残ることがあります。いわゆる、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と呼ばれるものです。


それを治療するためには、怖いと感じている対象に慣れること、つまり、犬とふれあうことで、怖い動物ではないのだということを肌で感じることが効果的だと考えられています。


専門家は、そのような治療法を暴露療法(ばくろりょうほう)と呼んでいます。


普通ならかわいいと感じるはずの子犬であっても、怖くて足がすくんでしまったり、中には逃げ出してしまう子どももいます。


そのような子どもたちに共通するのは、神経質で落ち着きがなく、感情を抑えることができずにすぐ泣き出してしまったり、気にいらないことがあると周りに八つ当たりするといった行動です。