日本の動愛法にある「行政のイヌまたはネコの引き取り義務規定


動愛法では、都道府県に対して、「行政は飼い主の求めがあれば、イヌ、ネコを必ず引き取らなければならない」と義務づけています。この規定は日本独特のもので、欧米の動物保護法にはみられないものです。


それには、次のふたつの理由があると言われます。


日本の飼い主は、動物の保護・管理をまっとうすることができず、飼えなくなった動物を自分の責任として安楽死させることもできない。


欧米にあるような大きな動物収容施設を持つ保護団体(中間団体)がないので、飼い主は行政に頼らざるをえない。


2004年度の保健所での引き取り頭数は、犬18万2000頭、猫23万9000頭で、9割以上は殺処分されています。環境省は、それを2017年までに半減すると発表しました。


動愛法の改正はその達成を視野に入れたものですが、その背景には、財政難にあえぐ都道府県の「犬猫の引き取り管理、処分」にかかる費用を軽減しなければならないという事情があります。


「行政のイヌ、ネコの引き取り」措置の直接的な受益者は飼い主です。ですから、原因者負担の考え方から、「イヌ・ネコ税」が導入される日がくるかもしれません。