ペットに関する法律「民法」、「動管法」、「動愛法」


ペットは、人間社会では「物」として所有されるものです。人間とともに暮らし、人間に心の安らぎをもたらす生き物であっても、「物」であり、日本の民法では、その86条で「動産」として位置づけられています。


ペットがどのように生きるかといった基本的なルールはすべて人間が決めるもので、ペットは単にそのルールの客体という存在です。


人間には憲法上の基本的人権が保証されていますが、ペットが法律上で権利や義務の主体になることはありません。主体になるのは、ペットを所有している飼い主で、ペットは間接的に法的な保護を受けられるだけなのです。


つまり、ペットが人間に飼われるということは、人間社会の法律、日本の法律では、私たち動物が人間に所有され、物理的にも経済的にも全て支配される存在になるということです。


したがって、飼い主である人間は、「法令の制限内において自由にその所有物を使用、収益及び処分することができる」(民法206条)


民法では、自分の好きなペットを自由に飼うことができ、その飼い方も制限されない人間も、動愛法の規定で、飼い主としてペットに対して責任を負うこと、社会に対して責任を負うことが決められています。


また、命を持った動物として、その命を尊重され、愛護されることは、人間社会では「公序」と考えられています。


それが「動管法」という法律として制定されています。


昭和48年に「動物の保護及び管理に関する法律」が制定され、動物の虐待の禁止、動物の適正飼育や管理に関する事項が定められました。犬と猫については、動管法に基づいて、政令によって具体的な適正飼育の基準が定められました。


さらに、平成11年には「動物の愛護と管理に関する法律」(動愛法)が制定されて、平成12年12月から施行されました。


動愛法では、みだりに愛護動物を殺傷すると(動物殺傷罪)1年以下の懲役または100万円以下の罰金、食事を与えないなどして虐待したり(動物虐待罪)、遺棄すると(動物遺棄罪)30万円以下の罰金に科せられます(同法27条)。動管法と比べて、一気に重罰化されました。


また、ほ乳類、鳥類、は虫類について保管施設で飼養し、販売、保管、貸出し、訓練、展示その他の営業を行っているペットビジネス業者は、都道府県知事に、定められた事項の届出が必要となりました。詳細は、各都道府県の条例に委ねられています。


東京都の条例では、対象となる業者についてより詳しく規定したうえ、届出制より厳しい登録制を採用しています。


また、「犬及びねこの飼養及び保管に関する基準」は、平成14年5月に成立した「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(環境省告示第37号)に替わることになりました。


動物の愛護及び管理に関する法律 5条1項」


「動物の所有者または占有者は、命あるものである動物の所有者または占有者としての責任を十分に自覚して、その動物を適正に飼養し、または保管するように努めるとともに、動物が人の命、身体もしくは財産に害を加え、または人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない」


「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(環境省告示第37号)平成14年5月28日制定


1.ペットを飼養する際の心構え

2.ペットの健康及び安全の保持

3.ペットにより生活環境に悪影響が出ないように努める