集合住宅における動物飼育のモデル規定


●基本的な考え方


飼育を希望する居住者(飼育者)、飼育しない居住者、管理組合または貸主など関係者の合意が必要です。


1.集合住宅で動物を飼育する際に、飼い主に求められる適正な飼育の基本的事項を決める。


2. 動物を飼育しない他の居住者の立場を尊重し、動物飼育に関するトラブルの防止を図り、快適な居住環境の維持向上を目指す。


3. 人と動物とが調和した、潤いのある生活を実現する。


4. 動物愛護精神を尊重し、動物の本能、習性などを理解するとともに、飼い主としての責任を自覚し、動物を終生、適正に飼育する。


●飼い主の守るべき事項


1. 飼育場所各戸の住宅専有部分(居室部)の中で飼う。


専用庭、バルコニーなどにケージやトイレを置いてはならない。


2.衛生、健康を守る


常にペットを清潔に保つとともに、疾病や寄生虫の予防などの健康管理を行う


ムダ吠えの防止や室内でのトイレトレーニングなど必要なしつけを行う


居室外で被毛や羽の手入れ、ケージの清掃などを行わない


居室、バルコニーの清掃を日常的に行い、被毛の飛散を防ぐ


ペットが居室以外の場所で排泄した場合には、衛生的に後始末をし、排泄物を持ち帰る


地震や火災などの災害時には、ペットが他の居住者に迷惑をかけないように避難する


ペットが死亡した場合は、適切な処理を行い、会に届け出る


3.移動について


開放廊下、エレベーター内では、ペットは抱くかケージに入れる


抱けない大きさの犬には飼い主の指示に従うようにしつけをして、他の居住者を不安や不快にさせることのないように心がける


エレベーターを利用する場合には、同乗者に迷惑がかからないように注意する


犬を散歩させる時には、砂場や芝生などの立ち入りを禁止された場所には入れない


4.予防注射


①犬には狂犬病予防注射をし、行政機関に登録をする


②犬には7種混合ワクチン、猫には3種混合ワクチンを接種させる


5.頭数及び種類の制限


①大型犬の飼育は禁止する


営利を目的とした複数頭の飼育を禁止する


6.補助犬の飼育


居住者が必要とする盲導犬、聴導犬、介助犬などについては十分に配慮する



●飼い主の会


1.この集合住宅の飼い主は、管理組合等の指導の下に、飼い主の会を設ける。


2.飼い主の会は、飼い主全員及びその他の入会を希望する居住者で構成し、会則を定め、適正な運営を図る。


3. 飼い主の会の役割は、次の通りとする。


①会員相互の友好を深めるとともに、動物の正しい飼い方の知識を広めるよう、努める。


②会員以外の居住者及び近隣住民にも、動物と暮らすことへの理解を深めてもらうよう努める。


③住宅内の共有施設や住宅周辺の環境及び衛生の保持に努める。


④動物を飼おうとする居住者の相談窓口になる。


⑤飼い主が自ら解決できない問題が生じた場合には、一緒に適切な解決を図る。


⑥この規定に違反した飼い主に対し、適切な飼い方等を指導する。


⑦管理組合等に対し、会の組織及び運営状況について適宜報告する。


●居住者の行う手続き


居住者は、管理組合等に対して、次に掲げる手続きを行わなければならない。


1)動物を飼う場合には、予め許可を受けるとともに、この規定を遵守する旨を誓約する。


2)犬を飼う場合は、狂犬病予防法第4条に規定する登録及び同法5条に規定する予防注射を行った旨の証明を提示する。


3)動物を飼わなくなった場合は、その旨、届け出る。


4)飼い主は、管理組合等が発行する標識を、他の居住者等が見やすい場所に掲示しておかなければならない。


●飼い主に対する指導、禁止


1)飼い主が、この規定に違反し、他の居住者及び近隣住民に迷惑や危害を与えた場合で、飼い主の会の指導にもかかわらず解決が図られないときは、管理組合等が、その飼い主を指導することができる。


2)管理組合等が度重なる指導を行ったにもかかわらず、問題が解決されない場合は、管理組合等は、その飼い主に対し、動物を飼うことを禁止することができる。


3)動物を飼うことを禁止された飼い主は、新たな飼い主を探すなど、速やかに適切な措置をとらなければならない。