ペット飼育の注意事項
●近隣住戸からの苦情で最も多いのは鳴き声(吠え声)です。
ドアチャイムが鳴ると人が来るということを学習した犬は、チャイムが鳴っただけで吠えるようになります。吠えると言っても、その理由には、自分のなわばりに入ってくる侵入者への警告や威嚇のため、あるいは恐怖心から、そして「誰かが来るよ!」と家族に知らせるためなど、様々です。
「なわばりへの侵入者を飼い主に知らせる」
犬が吠えると飼い主は「うるさい!」とか「静かに!」と叱ることが多いのですが、なわばりへの侵入者を飼い主に知らせようとしている場合には、その目的を達成するために「もっと激しく吠えなければ」と学習させてしまうことがあります。
また、飼い主の叱る声そのものが、近隣の迷惑になることも考えられます。
「飼い主の注意をひくため」
吠えるということ以外にも、退屈しのぎにくずかごを荒らしたり、家具をかじったりして、飼い主の注意を引こうとします。
●ペットの臭いとトイレ
まず、体臭の強い犬種は飼わないという選択があります。犬の体臭には、耳の臭いや口臭なども含まれますので、定期的にデオドラント効果のあるシャンプーで洗う、耳の手入れや歯磨き、歯石除去によって、臭いを軽減できます。
ペットのトイレが臭いからとトイレ・トレーをベランダに置いたり、ベランダで排泄させるなどということは明らかにマナー違反です。
室内に置いたトイレでは、排泄をしたらすぐに始末する、ペットシーツをこまめに変える、消毒のためにもトイレトレイを定期的に洗うなど、衛生的な管理をします。トイレの置き場所も、お風呂場や玄関などではなく、リビングやキッチンのそばなど、飼い主の目につきやすいところにして、犬が排泄したらすぐに片付けられるようにします。
トイレシートや排泄物などの廃棄物をゴミ置き場に出す時には、袋を二重にして中身がこぼれたりしないようにします。
カーペットは、防ダニ、抗菌、防汚の機能のついたものがお勧めです。毛足が丸く輪になっている「ループ」の場合、犬の爪がひっかかって、足をひねったり、爪をはがすなどの事故の可能性があるので、「カット」のタイプにします。
カーテンは、ウォッシャブルを選びます。床までの長さのカーテンに、犬がマーキングしてしまうようであれば、上げ下げ式のシェードに変えるという方法もあります。
安全性が保証されている無臭の除菌スプレー、消臭スプレーを使う、匂いを吸着する空気清浄機、排気がクリーンな掃除機なども匂いを防ぐ効果があります。
●屋外での散歩と排泄
犬のウンチが落ちていたら、自分が飼っているペットのものでなくても片づけましょう。それがそのまま放置されていれば、ペットを飼っていない人にとってはすべからくペット飼育に対して否定的な印象を抱かせることになるからです。
「ウンチは飼い主が処理する」ことはもちろん、「ウンチは気づいた人が片付ける」ようにすれば、住民とのトラブルに発展することを防げます。
●飼い主がコントロールする散歩
飼い主のことなどおかまいなしといった感じで先を歩いている犬は、ところかまわず排泄をする傾向があります。飼い主が犬をコントロールできてこそ、排泄もコントロールできるのです。
リードをつけないで散歩するなどはもっての他です。たとえ、どんなに訓練されていても、犬嫌いの人や犬が怖い人がいることを忘れないで下さい。共有部分などでは、飼い主のわきにぴたりとつくぐらいにリードを短く持つようにします。
●ペットの抜け毛に気をつける
ベランダに干した洗濯物や布団などに付着していたペットの毛が、隣家に舞い込んでトラブルになることがあります。室内でブラッシングする時には、窓やドアを閉めて行います。もちろん、ベランダでブラッシングすることなどは決してやってはいけません。
犬や猫をシャンプーする時に、抜けた毛を配水管に流したりすると詰まりの原因になります。シャンプーの前にブラッシングをする、排水口にはネットを置いて抜け毛が配水管に流れ込まないようにします。
●共有部分やエレベーターなどで注意すること
犬を連れて共用廊下を歩くときにはリードを短く持って、犬は飼い主の横を歩かせます。犬が何か嗅ごうとしたりしたら、リードをひいて止めさせます。
廊下ですれ違いをしなければならないときには、飼い主がすれ違う相手サイドに身体を入れて、犬を反対側につけるようにします。途中にスペースがあれば、そこで立ち止まって、相手を先に通します。犬を抱きかかえるときには、犬の頭をすれ違う相手とは反対側にするようにします。住戸の玄関扉側を飼い主が歩くようにしましょう。突然、扉が開いて、犬と人が鉢合わせしないためです。
●エレベーター利用で気をつけること。
エレベーターホールでは、犬を飼い主の少し後ろでキープしながら待ちましょう。降りてくる人への配慮です。一緒に待っている人がいる場合には、了解をもらってから乗るようにしましょう。人数が多い場合などは、次を待つ気持ちも必要です。
エレベーターに乗り込んだら、犬は一番奥に立たせるようにして、飼い主が身体で動かないようにおさえます。抱きかかえる場合には、犬の頭が一緒に乗っている人の方を向かないようにします。