ペットに関する管理規約の決め方とコミュニティのあり方
マンションやアパートといった集合住宅で、ペットの飼育を禁止しているのは、それが飼育者の部屋の中(専有部分)だけではなく、共用部分にも被害を及ぼす可能性が高いからです。
そのため、管理規約で、「他の居住者に迷惑や危害を及ぼす恐れのある動物の飼育を禁止する」と定めているところが多いわけです。
ただし、このようなおおまかな禁止規定では、例えば「迷惑をかけない犬ならいいのではないか」というように、その解釈をめぐって後々トラブルになることもありますし、裁判でも「禁止としての効力をもたない」とする判決が出ています。
ですから、もっと具体的で細かい規約や細則を決めておく必要があります。
① 動物の種類 : 犬、猫、小動物、小鳥、爬虫類、魚
② 届け出・登録制 : ペットクラブへの加入を義務づける
③ 共用部分での取り扱い : リードをつける、カゴに入れる、抱きかかえる
④ 臭いや汚れ、騒音などのクレーム、かみつき事故などの対処法
⑤ アレルギーのある住民への配慮
同じマンションに住んでいながら、あいさつひとつ交わすこともないといった状況では、いったんトラブルになると互いに感情をぶつけ合うような争いに発展しやすいのです。
日頃から良いつきあい方ができているコミュニティであれば、裁判で争うような局面を迎える前に、何らかの解決策を見出せる可能性が高いとされています。
裁判で勝った負けたということよりも、ペット飼育を巡って住民どうしが対立したり、感情のしこりが残ったりするのでは、そこは良いコミュニティとは言えません。
トラブルを起こさないためには、飼い主は細心の注意を払って、マナーを守ることが何よりも大切なことなのです。