腎臓では、体の老廃物や毒素を取り除いて、おしっこ(尿)を作り、体外に排泄する働きをしています。


おしっこは、尿管(輸尿管)を通って、膀胱に送られ、そこで貯められます。最後に、膀胱から尿道を通って、体外に排泄されます。


メスでは尿道は短くて太く、オスでは細くて長く、途中に前立腺という器官があります。


メスの尿は、オスよりも酸性が強いので、芝生の同じところにおしっこをすると、そこだけ枯れてしまうと言われます。


おしっこをする時(排泄時)に、痛がる場合には、尿道結石の可能性があります。結石によって尿道に炎症が起こっていると痛がります。おしっこをしながら、「キャン!」と鳴くこともあります。


膀胱結石の場合には、それほど痛がらないと言われています。


トイレ以外の場所でそそうをしたり、いつもおしっこを垂れ流している場合には、泌尿器に異常があるか、先天的な疾患も疑われます。


尿の臭いは、主にチッソ化合物の「アンモニア」によるものです。尿は、排泄された時には無菌状態ですが、外気に存在する常在菌によって、尿に含まれる「尿素」が分解されて、アンモニアに変えていきます。それが蒸発して、鼻や目をツンと刺激する独特の臭気である「アンモニア臭」となるのです。


温度が高いと細菌の活動が高くなるので、室内に放置された尿からアンモニアがどんどん気化して、悪臭が充満することになりかねません。アンモニアはアルカリ性なので、酸性の物質を加えて中和することで、アンモニア臭を抑えることができます。レモンやオレンジなどの絞り汁は酸性で、かつ、細菌の繁殖を抑える効果もあります。


●正常な尿の状態


尿の量   : 28~47ml/日

尿の色  : 淡い黄色

尿の混濁度: 透明

尿の比重 : 1.015~1.045


●尿の量に異常がある


尿量が多い :

慢性肝炎、急性腎炎(利尿期)、肝臓障害、糖尿病、副腎皮質機能亢進症、子宮蓄膿症、尿崩症


尿量が少ない:

脱水症状、急性腎不全(初期)、慢性腎不全(末期)、尿路の腫瘍による狭窄、結石、膀胱ヘルニア


●尿の色に異常がある


無色透明 :

腎臓では毒素を濃縮して尿として体外に出しているので、色は淡い黄色になる。腎臓機能が正しく機能していないと無色透明になる


赤色   :

膀胱炎、尿石症、尿道炎、前立腺炎、前立腺腫瘍、フィラリア症、血尿。少し乾くと尿石の結晶がキラキラ光って見える


濃い黄色 :

肝臓疾患、胆のう疾患、レプトスピラ症、脱水・発熱

肝臓の機能が低下すると尿は濃い黄色になる。ウィルス性肝炎では元気がなくなる


白く濁っている:

膀胱炎、慢性腎不全肝臓機能が低下すると毒素を凝縮できなくなり、尿は白濁する


褐色 :

胆のう炎 胆汁の色素が多量に含まれている