なぜ、食糞するのか
自分のうんちを食べるなんて、異常行動のようですが、食糞行動はそれほど珍しいことではありません。生後2週間ぐらいまでは、母犬は、「排便をうながす」、「巣をせいけつに保つ」、「他の動物に襲われないように臭いを消す」ために、子犬のはいせつ物を食べてしまいます。
その経験から、子犬はうんちを食べることを自然なことと感じていますが、多くは乳離れをするころには食糞しなくなります。
食糞がなくならない理由については、いろいろな説があります。
*遊びや退屈しのぎにうんちをかじったり、食べたりする
*うんちを食べると飼い主が騒いでくれるので、関心を引きたくて
*多頭飼いの場合、優位な犬の糞を食べることは服従行動だから
*食餌の量が足りなくて、空腹になるから
*食べたものが十分に消化されず、食べものの臭いが残っている
*ビタミンB群の不足を補うため
哺乳類には、こどもが母親の糞を食べて腸内の微生物(細菌)をおぎなう種も少なくないとされています。多くの草食動物にとっては、腸内の細菌は、堅い植物細胞を分解して栄養をとるために不可欠なものです。
ウサギは自分の排泄したやわらかな糞を食べて、再消化することで、微生物が腸内で作ったビタミン類を摂取します。
産まれてまもなく、子ウマが母ウマの糞を食べる習性をもつ野生種もいます。子馬が3ヶ月齢に達した頃には、食糞しなくなります。