子犬の低血糖
血液中のブドウ糖が異常に低下した状態が「低血糖」です。
糖分が十分に供給できなくなると、脳を含めた神経系が最も大きな影響を受けます。ですから、血糖値が低下すると、けいれん発作などの神経症状が見られます。過剰な唾液分泌が見られ、衰弱して死ぬこともあります。
3ヶ月齢までの子犬が低血糖の状態になりやすいとされるのは、次のような理由からです。
(1)生きていくために、高いエネルギー量を必要としている
(2)糖分を作るシステムが未熟
(3)糖分を作るために使われる体内のタンパク質の量が不足
(4)ブドウ糖を体内に貯蔵しておく能力が未完成
超小型犬、特にヨークシャー・テリアは生まれつき血糖調節ができないため、6~14週で低血糖になるとされています。(筋肉の発達や摂食に異常はありません。)
成犬では5歳以上に低血糖症が見られます。身体に糖分が補給されなかった場合、食餌の間隔が空いて空腹になった時、体内の糖分を使いすぎた場合、興奮したり、運動している最中などにも、症状がでることがあります。
アイリッシュセッター、ボクサー、ゴールデンレトリバー、スタンダードプードル、ジャーマンシェパードなどが低血糖症になりやすい犬種としてあげられています。
●治療方法
緊急の対処法としては、砂糖水やチューブ式の高栄養剤の「エネバイト」を与えるなどがあります。動物病院では、血液検査で血糖値を測定して、ブドウ糖を投与します。
●予防方法
子犬の場合には、身体が冷えないようにして、こまめに食餌を与えることで予防できます。また、子犬はストレスから低血糖になることもあるので、ストレスを感じる環境下に置かないようにすることが大切です。