子犬の性格
ペットをコンパニオン・アニマル(伴侶動物)と呼ぶようになっています。
人が人生を共にする伴侶、夫または妻を選ぼうとする場合、初めから全てにおいて相性ぴったりのパートナーを探し出すのは容易なことではありません。それぞれが違った環境で育てられ、互いに異なる価値観を持っているのですから、出会った瞬間から相性ぴったりというわけにはいきません。
多少のズレがあって当たり前で、そのズレが共に暮らしていく内に調整されて、居心地の良い関係に落ち着いていくのではないでしょうか?
伴侶動物である「犬」の場合でも、飼い主さんとその家族が持つ条件にぴったり合った犬を選ぶことは難しいものです。なぜなら、犬にもそれぞれに性質、性格というものがちゃんとあるからです。
●あるドッグトレーナーは犬の性質、性格を大きく二つのタイプに分けて説明しています。
素直な性格
人なつこくて、誰にでも尻尾を振って明るく振舞う犬。
トイ・ドッグやスポーティング・ドッグに多い。
頑固な性格
八方美人ではなく、自分をしっかり持っている犬。(飼い主に忠誠を尽くす)日本犬やドイツ犬に多い。
この2通りが犬の典型的な性格ですが、どちらがいいということではもちろんありません。どちらがいいかは飼い主の好みの問題だからです。
●犬の表情を観察して、犬の性格を判断することを提案している専門家もいます。
表情のない子
犬がして欲しいことを飼い主が無視するような環境で育てられると、犬は次第に求めることをあきらめるようになり、その表情をだんだん失うようになってしまいます。
目がキンキラしている子
攻撃的だったり、とてもシャイだったりと性格的に問題がある場合が多い。
●子犬の性格の見分け方(例)
1. 社交的で、自信があり、のんきなタイプ
2. 神経質で、友好性に欠けるタイプ
3. 活動的で、攻撃的なタイプ
1. 子犬がたくさんいる場合、ポンポンと手を叩いてみて真っ先に近寄ってくる子犬、あるいは他の犬の背中に前足をひんぱんに乗せたり、眠るときも他の犬の体にあごを乗せるタイプの子犬は、陽気で好奇心が強く、精神的にも健康ですが、性格的には強い子犬なので、しつけがむずかしいと言われます。しかし、近寄ってくるということは、人への社会化ができている証拠です。
2. こちらを見ているのですが、他の犬の後ろにいて、近寄れない子犬は、やさしく、温和な性格だと思われるので、初心者には比較的飼いやすいと言われます。
3. ふるえてしり込みするような子犬は、神経質で育てるのに苦労します。
4.母犬にしっかりかわいがられたり、叱られたりしている子犬は、飼い主の指示に対して聞き分けがよいと言われますので、母犬が子育て上手かどうかも大切です。
●子犬を選ぶ時の注意点
1. 生まれつき攻撃的な子犬はまれで、さかんに「甘噛み」するのを攻撃的だと勘違いする例がほとんどです。
2. オスと比べると、メスのほうが、性格がおだやかで従順、攻撃性も少なく、しつけやすい傾向があります。おしっこをかけてしまう「マーキング」は、なわばり意識の現れなので、メスにもありますが、どちらかというとオスの方が顕著です。
3. これから犬を飼おうとする人は、最低限、その犬種に共通する性格、そして、その犬種のマイナスの特質というものについて知っておいて下さい。マイナスの特質には、遺伝的な病気や欠陥も含まれます。
4. あなたが飼いたいと考えている犬種が本当にあなたのライフスタイルに合っているかどうかを熟考して下さい。
●先住犬がいる場合
子犬を迎えるときには、先住犬にとってできるだけストレスがかからないような配慮が必要と言われます。しかし、新しく子犬がやってくると先住犬が母性本能を喚起されたり、子犬心を思い出してよく遊ぶようになったりとメリットとして働くこともあるのです。
上下関係がつきやすい=先住犬にとってストレスが少ない組み合わせは、次のような条件です。
1.先住犬の年齢は、5歳以上10歳ぐらいまで
2.大型犬と小型犬というように体格差が大きく、異なる犬種
3.オスとメス
4.子犬の性格が先住犬よりもおっとりしている
子犬は3歳になるぐらいまでは、やんちゃなので、先住犬の負担にならないように10歳までに迎えるのが好ましいとされています。