

ハリー君は、かわいさ抜群で愛嬌たっぷりのわんこ。犬種がわかる人はまずいないそうで、飼い主さんはいつもチャイニーズ・クレステッドの写真を持ち歩いているそうです。
チャイニーズ・クレステッドと言うと、へアレスのイメージが強いのですが、ハリー君のように長毛になることがあります。両親犬がへアレスでも、被毛のある子犬が産まれてくることは、そうめずらしいことではないようです。このように被毛のある子犬は、「パウダーパフ」(おしろいばな)と呼ばれます。
チャイニーズ・クレステッドは、犬種名から中国原産と思われることが多いようですが、実はアフリカ産で、そのヘアースタイルが昔の中国人の男性の髪型に似ていたことから、そのように命名されたという説もあるようです。
無毛の犬には、ふたつの系統があって、ひとつは、中国原産の無毛湯たんぽ犬(へアレス・ホットウォーター・ボトル・ドッグ)、もうひとつは、メキシコ無毛犬(キソロイズキュイントル)というものです。
中国で「トサカイヌ」と呼ばれていたへアレス犬は、絶滅してしまいましたが、1960年代の初期にアメリカの老婦人が飼っていた数匹をベースに系統が守られたと言われています。
メキシコ無毛犬が、絶滅の危機に瀕していた1956年、イギリスのロンドン動物園は、珍しい犬ということで、2頭を迎え入れました。その2匹は、完全に無毛で、ホイペット種のような体つきに、大きく立った耳を持っていたそうです。
「パウダーパフは、毛のない兄弟を温めるために、自然が用意した毛布なのだ」と考えているブリーダーもいます。
(参考資料)
「ニュースになった犬」 マーティン・ルイス著 筑摩書房刊