1960年(昭和35年)に、日本ペットフード(協同飼料)が犬専用のフード「ビタワン」を発売するまでは、飼い犬の餌と言えば、残ったご飯にみそ汁をぶっかけて、食べ残した魚などをくわえたものというのが、一般的でした。
ビタワンの登場以降、ドッグフードによって犬が十分な栄養をバランス良くとれるようになったことが、ワクチン接種による感染症の予防効果とともに、犬の寿命を伸ばしたと考えられています。
いまでは、「汁かけごはん」は過去の遺物になっていますが、「ご飯」自体は、犬が消化できる穀物として、決して悪いものではありません。質の良いドッグフードには、「米」が原料として入っているものがあるのです。
「汁かけ」の汁は、おみそ汁のことです。人間の食事で、「一汁一菜」は、現代では質素なことを表しますが、鎌倉時代には、おみそ汁はお坊さんや位の高い武士でないと食べられない高級品だったのです。
中国の僧が持ち込んだすり鉢で「粒みそ」をすりつぶしたら、とてもよく水に溶けたので、それから、みそ汁として食べられるようになりました。
お寺の小僧さんがすり鉢で粒みそをすりつぶしている姿がおみその宣伝に使われている((マルコメ)のは、そこから来ているのでしょう。
ちなみに、「汁かけご飯」は、昔は下品なことではなく、普通の食べ方だったそうです。