埼玉県和光市の訓練施設で行われた災害救助犬協会・チームVERDEの「探索訓練会」を見学させていただきました。
災害救助犬協会は、平成8年に設立され、平成11年10月にNPO法人としての認可を受けました。平成18年6月に、栃木県矢板市のミツモチ山での野外体験中に行方不明になった小学生の捜索に、5頭の救助犬を伴って6名の隊員が参加し、ラブラドール・レトリバーのサンドラ号(ハンドラー西原幹夫氏)がその子どもを探しだしたという実績をもっています。
和光市の市街地から車で10分程。荒川近くの訓練施設の敷地内には、ドラム缶の上に板を渡したバレルブリッジやシーソーなどのさまざまな障害物とともに、廃材を利用して作られた探索訓練のための建造物が配置されています。
訓練に参加していたのは、救助犬として一般的なジャーマン・シェパードやラブラドール・レトリバーだけではなく、ダックスフンドやアメリカン・コッカー・スパニエル、そして、ベルギー原産スキッパーキまで、多士済々の顔ぶれでした。日本救助犬協会では、「普通の家庭犬でも、いざとなったら救助犬」を合言葉に、一般家庭で飼われている犬を災害時には救助犬として役立たせる訓練を行っているのです。
その短足胴長の体型ゆえに、災害現場で動きまわるには無理があると考えられて、正式な捜索救助犬には向かないとされるダックスフンドであっても、いざという時には、持って生まれた嗅覚で遭難者の捜索に当たることができるのです。