英語を話したり書いたりするのに欠かせないのが、論理力。
ある程度の基礎ができてきたら、もしくは検定試験を受ける際には必ずアドバイスしていますが、おそらく日本人にとって苦手なのが、英語という言語よりもこの論理(ロジック)というものでしょう。にもかかわらず、日本の英語教育では、なかなか教えてもらう機会がない印象があります。
なので、以下の順番で、3回にわたって書いてみようと思います。
- 論理とは何か?
- 論理力がないことによる弊害
- 日本人が論理が苦手な原因
- 論理力の鍛え方
- まとめ
1. 論理とは何か?
まず、論理とは何でしょう?
広辞苑では、以下のように定義しています。
ろん‐り【論理】 (logic)
①思考の形式・法則。また、思考の法則的なつながり。
②実際に行われている推理の仕方。論証のすじみち。
③比喩的に、事物間の法則的なつながり。「歴史的発展の―」
ここで私が言う論理は、①もしくは②の「論証のすじみち」かな。ももし皆さんが「論理的」ならば、思考の形式・法則に則っている、もしくは論証のすじみちがしっかりとしている、ということになるでしょう。
文章の書き方で多くの日本人が思い浮かべるのは、国語の授業で習った「起承転結」ではないでしょうか。実際日本人が書いた英文の添削をすると、なんとなくこの起承転結のようなかたちでぼんやりとした情緒的な文章を書く方が多く見られます。しかし、実は起承転結は、元は中国の漢詩のスタイルであり、どちらかというと(論理性は重要でない)文学的な文章に有効で、論理とは別物と考えた方がいいようです。日本語特有のスタイルと言ってもよいのかもしれません。まずはスタートとしてそこを理解しておく必要があるでしょう。
英語には英語のスタイル、型があります。それが論理です。
いくつか表現方法はあると思いますが、英語の文章(論文)の基本的な構造としては、
「主張(結論)」→「根拠」→「結論(主張)」
でしょう。シンプルです。これを必ず守ります。起承転結の「転」のように、筋から外れたことは話を不明瞭にし、論理を弱めるだけなので、余計なものは入れません。きらびやかに見せる装飾も必要ありません。やることは、あることを主張(提示)し、その根拠を示して、提示した主張が筋の通ったことであることを証明するだけです。
簡単に言うと、
「私、■■だと思うんだよね。だって、○○だし、△△だし、××でもあるから、やっぱり■■だと思うんだ」
ということです![]()
日本でも、近年はビジネスにおいて、「結論から言おう」などとよく言われますね。起承転結的に話していたら、何が言いたいのか最後まで聞かないとわかりませんし、途中寄り道(脱線)もしていたら時間がかかるだけでなく、結局何が言いたいのかの話のポイントもわかりづらいので、その点欧米スタイルの方が、ビジネスを進めるうえでは効率がよいのでしょう。
他にも論理的にアウトプットするためのルール(日本語の文章との違い)はありますが、まずは大前提として、このことを覚えておきましょう。「起承転結」とは全然違いますね。
2. 論理力がないことによる弊害
ただ、論理力が必要と言われても、どうしてなのかがわからなければ、身につけようという気になりませんよね。
次に、論理力がないと、英語をアウトプットするうえでどうなるのかについて、私の見解を述べていきたいと思います。
①通じない/理解してもらいづらい→相手をイライラさせる
まずはこれでしょうね。どの国や文化でもそうだと思いますが、それぞれ日常の中で暮らすに従って“普通(当たり前)”になっていくものがあると思います。「これはこういうものだ」「こういうときにはこうするものだ」という前提です。大抵、無意識で人々の中にあるので意識することなく持っているものです。これを逸脱した人とコミュニケーションを取る場合、一瞬聞きとれなかったり理解できなかったりすることは、同じ日本人同士でもあると思います。
コンビニでお弁当を買うときに、過去に毎回「温めますか?」と聞かれていたので今回もそう言われるだろうと無意識に思っていたら、「△◯□✖️◯□✖️△」と不意打ちに予測していたのと違うことを言われ、「えっ?」と聞き返すように。もしくは、地球は丸いという前提を持つ人が、地球はフラット(平ら)だという前提を持つ人と話す場合、色々な面で意思の疎通が難しくなるでしょう。性善説が根底にある人と性悪説が根底にある人でもそうでしょう。
論理の話に戻します。たとえば日本語では、考えもしないくらい“普通に”主語を省略しますよね。目の前に話し相手がいれば、その人に話しかけているということがわかるので、いちいち「あなたは」などと言う必要はありません。話の流れでわかるような人や物の主語もバンバン省略してしまいます。
ですが英語では、「主語は“普通に”言うもの」という前提があるので、入れないと「え?誰の話してるの?」となります。
論文の例で言えば、非論理的な日本語的思考回路で文章を書く場合、「長々と色々書いているけど、結局何が言いたいの??」となるでしょう。
結果、相手をイライラさせる原因にも容易になり得ます。
②おこちゃま扱いされる/変な人と見られる
逆の立場になるとわかると思いますが、日本でいい歳をした人が〝当たり前〟のことができないと、それだけで子ども扱いされたり見下されたり、変な人扱いされることがあると思います。日本のテレビ番組で、日本文化や日本語に不慣れな外国人が登場すると(よく、まとめてひな壇に並ばされていることがありますね)、共演者の日本人はそれだけで上からになったり、子どもに対する言葉遣いのようになったりする光景がよく見られます。
これは英語やその文化に馴染みのない日本人が英語の文化圏で生活しても、同じようなことが起こると言えます。
人間が全体的にもう少し成長すれば、このような事はなくなると思うのですが、現状ではそういうことがあると思います。
③試験に落ちる
これはわかりやすいですよね。英検では3級からライティングの問題が出題されますし、留学時に必要なTOEFLにもライティング問題があります。
英語ができても、論理力がなければ簡単に落ちてしまいますし、よい点数が取れないでしょう。英検3級から論理力は問われています。
つづく。


