英会話力を付けることを望む方(日本人)の中には、ご自分の日本語力がネイティブレベルだということを自覚していない(忘れている)ように見受けられる方が多く。

 

よくあるのが、

「こんなに簡単なことも言えないなんてショボーン

と、落ち込まれたり、残念がったりされること。

 

そういうときに思うのが、

「それは、あなたにとって“簡単なこと”ではないんじゃない?」

ということ。

 

皆さんがネイティブの日本語で、レベルについて考えてみましょう。

 

たとえば日本語で、「てにをは」を区別できなかったら、「いつ」「誰が」「どこで」「何を」などを使いこなせなかったら、現在や過去、未来のことを区別して表現できなかったとしたら、それは日本人として何歳くらいの言語レベルだと思いますか?

 

個人差はありますし数字は重要な問題ではありませんが、おそらく小学校に上がった頃にはそのくらいの文法はだいたいは会話で使いこなせているかと思うので、幼稚園レベルにはなるでしょうか。日本人の方は、覚えている単語の数は多かったりするので、全面的にそのレベルというわけではないと思いますが、運用レベル、会話レベルになるとそのくらいの面も普通にあると思います(ほとんどの日本人の英会話力は幼稚園レベルではないかと思われます)。

 

すると、幼稚園レベルの英語力の方が、大人の頭脳(感覚)で話そうとするので、そこにギャップ、つまり無理が生じます。

 

ふたたび日本語で逆に考えるとわかりやすいと思います。

 

日本語力が幼稚園レベルの外国人(大人)が、大人の頭脳と感覚を持って、普段母語で話していることを話そうとします。すると、

 

頭の中ではこんな感じオバケ

「先日は、お世話になりました~。あの後、大雨降ってきちゃって、電車も止まってしまったみたいですけど、大丈夫でした??」

 

ですが、実際口から出るのは、

「このまえ、……え~っと…。ふる、雨?いっぱい、あと。電車、とまる。大丈夫?」

 

こんな感じだったりします(文化の知識のこともあるので必ずしもこうはならないとは思いますが、あくまでも言語だけにフォーカスします。文化の知識がなければ、さらに厳しい状態になります)。このくらい話せたらいいくらいかも。

このくらいのことを話すのに、5分かかったり、20分かかったり。また、レベルの高い“大人単語”を思いつくばかりに、そこから離れられずにバランスの悪いおかしな英語になってしまったり。

 

つまり、ネイティブが自分の母語を特に考えもせずに難なく話せるというのは多くの人にとって当然のことで、それと同じ感覚で外国語でも簡単だと感じるということは、必ずしもない、というよりも、多くの場合でないのが普通かと思います。

 

なので、ネイティブの感覚(頭)で外国語を話そうとすると、「こんなはずでは」となるのだと思います。

 

こちらの記事: I have a pen. がわかりますか? でも書きましたが、いくら頭で簡単なことだと思っても、実際に(なかなか)できないのであれば、それはあなたにとって簡単なことではないのではないでしょうか。

 

別に自分を卑下するわけでもなく、現実を認識し、受け入れて目の前のことに向き合うと、余計な回り道なくスムーズかと思います。

 

皆さんの日本語力って、日本語を勉強中の外国人から見たら心底羨まれるようなペラペラ度だと思うのでニコ 

あまりネイティブのレベルを求めすぎるのではなく、まずは足元を見て、ひとまず幼稚園レベルから脱して小学生レベルくらいになろう、くらいの気持ちで行うとよいのではないかと思います(こちらの記事もご参考に: 底辺からの脱出)。

 

先ほどの例文で言えば、

「先日は、お世話になりました~。あの後、大雨降ってきちゃって、電車も止まってしまったみたいですけど、大丈夫でした??」

 

のようなネイティブレベルをいきなり目指すのではなく、まずは

「このまえは、ありがとう。私達がお店を出た後、雨がいっぱい降りました。電車が止まりました。あなたは大丈夫でしたか(家に帰れましたか)?」

ぐらい言えるように、つまり簡単な表現で伝えたい内容を伝えられるようになるといいですね合格グッド!