鉄道の歴史は事故の歴史でもある。19世紀の鉄道創業期から次々に起こる

大事故に悩まされ、その都度新しい技術の開発や対策に取り組んできた。

 

著者は、1956年に旧国鉄に入社して以来、現場の仕事に始まって2000年に

JR東日本会長を最後に退社するまで半世紀にわたって鉄道の世界に奉職し、

今なお鉄道事故が絶えないことにショックを受けて本書を執筆された。

 

内容は、国内外の事故を分析し、原因や対策などを解説している。

自ら蒸気機関車や電気機関車などを運転し、現場の管理職を務めた経験から、

技術的な欠陥と改良、組合などの人間関係の歴史を綴っている。

 

私鉄出身の読者として、経験や思いが重なる部分が多い。

今では当たり前と思われている「鉄道の安全」は、危険さえ顧みない冒険

者達の実験を重ねて実現できたものであることがよくわかる。