経営統合に応じた阪急は、阪神を村上ファンドから救ったと言われているが、
救われたのは阪急の方である。
阪急は多額の不良資産を抱え、その取得資金を借りていた複数のゼネコンから
返済を求められて訴訟を起こされそうになっていた。
経営統により、阪神の不動産と良好な財務体質を得て赤字決算を回避できた。
阪急の本音はもう一つある。
アーバンネットワークを標榜するJRへの対抗策である。
阪神と傘下の山陽電車と神戸電鉄を含めた私鉄連合を形成することである。
阪神と阪急の合併話は戦前にもあった。
国鉄が電化されて、今の新快速にあたる「流電」が最強の競争相手になった。
阪急が社長が阪神の取締役を兼ねていたため、両社の合併を画策した。
この時は北浜銀行事件で社長が失脚したため実現しなかった。
