今回はおおよその期間を書くと、17歳の12月から20歳の春ぐらいまで。約2年と半年間の話。

 

まず、17歳の冬にアルバイトを始めた。倉庫内で主にお酒を扱うピッキング作業。

高校の時のブログを見てくれた人なら分かると思うが、ここでようやく…待望の、待望の!!友人ができる事になる。

 

・・・彼(以下T君)の身長は175cmだった自分と同程度、風貌は金髪パーマでえらくダボついた服装、いわゆるB系のパっと見は不良そのものだった。今はもうほぼ居ないと思うけど、当時はまだギリギリ暴走族やチーマーが居た頃で、不良=そういうもの・・・と思っていた俺はそんな見た目をしたT君に良い印象は持たなかった。

 

そこでのアルバイトを初めて3日と経たないぐらいだったかなぁ、その日の作業が終わり、控室のベンチに座っていると向こうから話し掛けてきた。「何歳?」「どの辺りから来てるの?」「学校とかどうしてるの?」「ここの作業きついのは最初だけだし分からない事あったら何でも聞きな?」と、とにかく質問責めで過去に経験した事ない程にグイグイと話を振ってこられた。焦りながらも何とか会話を進め、大体T君の人物像が分かってくる。

 歳は自分の1個下で中学卒業後すぐに働き始め、彼女と同棲中(やっぱり居るんだなぁこういうタイプはよぉお!!と思いましたまる)、今のバイト先には原付で遠方から通い、親とは別居、そしてやはりというべきか・・・暴走族・・・には入っていなかったものの、そういう筋の知人がたくさんいる模様だった。

 なんというか、見た目通りで想像通りだったT君であったのだが、不思議と嫌な感じはせず会話がヤケに弾み、その日は彼の家に行き一緒にゲームをしようという事になった。俺は喋った初日からいきなり人の家にお邪魔するなんて失礼だと最初は遠慮したが、相手の半ば強引さも有り、T君と共に彼の住むアパートへと向かった。T君は低速で原付を運転し、俺は後ろからついていったのだが、「何でこんな遠いんだ・・・いつになったら着くんだ・・・」と何度も思っているうち、ようやく到着。チャイムを鳴らすとT君の彼女がお出迎え。「ハイハイ分かる分かる、不良の彼女って決まって顔面偏差値高いんだよね」っと正直羨むレベルの人だった。 女の人にあまり免疫の無かった俺は、緊張しながら拙い自己紹介をした後に部屋に上がり、ゲームをして盛り上がる事数時間、今度は皆でそのままカラオケに行こうという話になった。その時俺は「良いのか初日からこんな友達みたいな事して!!」と相当舞い上がっていた。

そして場はカラオケ屋へと移り、朝日が昇ってくるであろう時間まで歌ったり雑談なりをして過ごした後、カラオケ屋の店前で「またバイト先でな!」とT君は元気良く片手を上げたので、応えるように俺は慌ててハイタッチ。皆帰路に着いた。

 

 友人の作り方が全く分からなかった学校に通っていた時分、何度も兄に問いかけていたものだった。「どうやったら友達ってできるの?」と・・・答えはいつも一緒だった。「普通にしてたらできる。」 決まって返ってくる言葉、「普通」っていうのがどうしても理解できなかったんだけど、この問題はT君のおかげで解く事ができた。前述した日以降、普通にバイトに行き普通にT君と話し、普通に遊び、という日々を繰り返していると、気付いたら彼とは何の気遣いもせずこっちからも気楽に話しかける事ができる存在、つまり友人になっていた。

思い返してみても、挨拶を交わすタイミングを図ったりするでも無し、言葉を選んで考えながら会話したでも無し、本当に普通、自分そのままにT君と接していただけだった。そしておそらくT君も普通にしていただけだったんだろう。普通に俺に話しかけ、普通に会話し、普通に遊んでいただけ。ただし、あえて言うなら強引さもあったがきっかけを作ってくれたのはどう考えてもT君であり、彼の普通と俺の普通が上手くかみ合った事で親しくなれたんだと思う。そして、そういったものが縁というヤツなんだろう。

 

結局の所、T君との友人関係は俺が引きこもる20歳まで続き、たくさんの思い出を作った。

  • 週に最低1度のボウリングやカラオケ
  • T君の彼女が車の免許を取った後、彼女の運転で頻繁に名古屋港まで3人でのドライブ
  • バイト先の人達とT君の部屋で夜通し宅飲み
  • 互いの趣味に対してのくだらない討論会のようなもの
  • 大騒ぎしながらT君宅の大掃除の手伝い
  • 俺は喫茶店、T君は土方へと働き先を変えても変化の無かった互いの連絡頻度(これは思い出・・・か?)

とか、いくらでも出てくる。T君とT君の彼女と俺の3人で何となく同じ時間を共にしていたあの時期・・・本当に楽しかった。

34年間生きてきた中で、あれだけ充実した時間を与えてくれたT君達には今も感謝している。

 数年前にふとT君をFBで見かけたが、更新頻度は高くないものの、ハーレーに乗り仲間と楽しくしている姿がアップされたりしていて、おそらくは今も楽しくやっているんだろう、俺みたいな堕落しきった人間はもう関わっちゃいけないと思い静かにページを閉じた。

 

たしか、人間って20歳?19歳だったかで体感時間としては人生の半分を終えるんだったか。

そう思えばT君達との出会いはギリギリ間に合った奇跡って感じだったね。引きこもってからというもの、特に30歳を過ぎた辺りから時間が経つのが早すぎる。ネトゲしてネサフ(死語)して、なんとなく生きているだけなんだけれども、同じ何となくでもあの頃の何となくとまるで違う。

10代の時間と今の時間は価値がまるで違うんだなと実感する。

自分はこれからも何となくくだらない毎日を過ごし、老いてくんだろうなぁ。そして近い将来、年齢重ねた人がよく言う

「若い時にもっとチャレンジしておけば良かった」

なんていう典型的な後悔をしながら粛々と生きていくんだろう。

って思ってるなら何かやれよ!って言われそうだけど、本当に今したい事とか思いつかないんだからそんな事言われてもしょうがのいじょのいこ。

 

あれぇ?楽しい記事書くとかって前回言ったのに何か後半暗い感じになっちゃったかねぇ?

まいっか、次回の記事は~・・・えー、ん~、なんかメンヘラっぽい記事にします!特に内容の予定が無い!

 

ではね、またいつか。