高校生の時はとにかく焦ってた時期。何に焦っていたかというと、ずばり友達作り。

中学の頃からそうだったけど、学生の頃はぼっちである事をとても恥ずかしい事だと心底思っていた。

 

高校一年生になり最初のクラス、自分の後ろの席には小学生の頃によく遊んでいた友人?いや元友人Aが座っていた。

これは幸いだと思った俺は、もちろん積極的に話かけた。まぁ本心を言えば、その人との仲を取り直そうしたわけじゃない。周りへのぼっちじゃありませんよアピールだったと今になって告白。最初の1か月程はその人と何とか会話を弾ませ、一緒に自転車で帰っていたものだが(入学後1か月経過でA以外との接点がほぼ無かった時点で既にマズイという事に気付いてなかった)、Aが野球部に入った事で状況は一転した。

帰りは一人、Aも同じクラスに居た野球部員と頻繁に話すようになり、俺はぼっちで過ごす時間が長くなっていく。

 

そうして5月、6月と過ごしていくうち、気付いたら完全にぼっち。この時俺の頭の中は「どうしたら新しい友達を作れるか」でいっぱいだった。

が、欲が強すぎて言動、挙動がおかしかったのか話掛けてくる人もおらず、こちらから話そうとしても話題が無い。でも友達が欲しい。

抜けられない地獄の無限ループに陥り、授業中もずっと同じ事を考えていたので黒板など眺めているだけ、先生の言っている事も聞き流しで、授業を受けているなどとても言えない状態が続いた。

 

そして迎えた夏休み、補習を受けなければならなくなっていた成績の悪さも相まって、家族から「勉強の時間を増やせ」とこっぴどく叱られる。

違う高校に進学した兄からも説教され、寝ている時間以外は学習机に向かっていないと「勉強しろ!」と言われ続けた高1の夏休み。

学習机に向かい教科書、ノートを広げてはいるものの、家族が階段を上ってくる気配、音がした時以外はほぼ漫画(主にスラムダンク)を読んでいた。クソ面白くない夏休みが終わり二学期、夏休みの宿題など全く終わっておらず(というかこの時、全科目まったくついてゆけずチンプンカンプンだった)、勉強も駄目だし友達作りに関しての問題も解消されていない。

そんな状態で二学期を過ごしきれるだろうか?現状を打開するにはどうしたらいいのか?夏休みの最中からやろうかどうか迷っていたのだけれど、新学期になった今、もう時間が無い。考えに考え、俺は逃げる事を決意した。

 

つまり家出である。

 

何もかもから逃げたかった俺は、新学期初日に家出を決行。予め保管場所を把握しておいた、家に置いてあるお金(6万)を抜き取り、学習バックには私服を詰め込み、親に「行ってきます」と言い家を出る。自転車を走らせ、登校途中にある物陰で着替えを済ませ、最寄の駅に向かった。

 

いつもなら学校にいる時間なのに自分は今、電車に揺られている。とても不思議で新鮮で開放的な気分、昼過ぎには京都に着き、一旦駅で休憩を取ることに。ベンチに座り一呼吸、しばらく周りを眺めた後、構内にあったコンビニでサンデーを手に取りからくりサーカスを読んだ。覚えてるよそん時はパンタローネと鳴海の師匠が戦ってた回だったよ。その後しばらく徘徊し、ここで第二の決断を迫られる。

出発地点は三重県、今自分がいるのは京都で、次に定めた到着駅は博多だった。距離を考えると、本州真ん中付近から一気に九州へ・・・

別次元の世界、行ったらもう戻れないかもしれないと相当悩んだが、「ここまで来て何を今更!」と半ば強引に新幹線の切符を購入しホームへ。新幹線を待っている時は何も考えていなかったが、いざ電車がホームに停止、乗り込む時には勇気を振り絞った。

気持ち強く右足から新幹線に踏み込み、指定席に座り、ついに出発!博多へ!

窓際に座ってただボォーっと外の景色を見ていると、隣に座ったおばちゃんが「一人?なにしに行くの?」

と話しかけてきた。俺は咄嗟に「あ、おばあちゃんの所に行くんです」とだけ答え、視線を窓の方にやった。隣のおばちゃんは「へぇ~」とだけ言い以降沈黙、静かに博多への到着を待った。

 

そしてついに博多に到着、時間は19時ぐらいだったかな?まだ9月が始まったばかりという事もあり辺りはほんのり明るかった。

今日はここいらで泊まり、明日の事は明日決めようと思い、同時に家族にも自分が無事だという事を知らせようと電話BOXに入る。(新学期初日、遅くとも昼には帰宅している筈なのにこんな時間まで連絡も無かったら不安になるだろう。と思ったからである)

そして家に一報を入れる。以下その時の会話内容をザックリと。

 

俺「もしもし、俺は大丈夫、今博多にいる」

親「はぁ!?博多ぁ!?あんた何してんの!学校からも登校してないって連絡きてたよ!」

俺「しばらく戻る気は無い、好きにさせてもらう」

親「警察に探してもらうようお願いするからな!」

俺「ゴメンすぐ帰るから許して!」

 

とこんな感じ。なんと弱い俺。次の目的地に向かうため電車の中に居る所を取り押さえられ、恥をかく事を想像した俺はもう即答だった。

すぐに帰りの新幹線の切符と小腹が空いたのでチョコクッキーのような物を買い、ホームへ。

全く、何しに九州まで行ったのか・・・1時間居たかも怪しい。ともかく俺は帰りの新幹線に乗り込み、「何がしたかったんだ・・・・」と後悔する事数時間、周りはもう真っ暗になった頃に新幹線は名古屋に止まり、乗り換えで自宅の最寄駅まで帰り、そこで待っていた家族に平謝り。

 

結局の所、その後は普通に学校に行く事になったし状況が好転や変化するということは全くもってなかった。が、まぁ今にして思えば「モヤモヤした普段の生活の中に何かの間違えで入ったちょっとした良い刺激」程度に捉えていた当時の俺からすると、必ずしもメンタル面でマイナスになった・・・事件(大げさかな?)では無かったと思う。家計には間違いなくマイナスダメージ負わせてるけど・・・

 

と高1の時に起きた思い出のある話と言えばこのぐらい。

ある意味人生の岐路となったのは高校2年生の夏なのだが…その話はまたいつか。

 

 

 

 

そういえば、長い休みの後に登校拒否になったり問題を起こす生徒は多いと聞くけど、今年のGWはどうなんだろうね、10連休と普通に比べて長いみたいだし、自分みたいに何か行動起こす学生も普通に居そうだねぇ。自分と同じような境遇でメンタル弱い人だと尚更・・・

ま、心配した所で今もヒキコモリのような生活してる俺がどっかの誰かが何しようが知る術無いけどな!あ、犯罪はやめとけよ!