数ヶ月後、マリーはお城を出ました
新しい希望に輝く人生を送るためです
お城を出る前には、十分な計画も立て、これからの街での生活を真剣に考えました
その頃、ダンシングドール・ナイトは再びマリーに会いに来ました
でも彼は、自分の気持ちをマリーにうまく伝えられません。それは、マリーが真剣に話す決意を聞いて何も言えなくなってしまっていたからなのです
そして――
ダンシングドール・ナイトは、マリーの前から姿を消しました
ダンシングドール・ナイトは、踊ることもやめてしまいました
ダンシングドール・ナイトは、騎士の姿に戻って、遠い国の王さまになりました。それは彼のもうの一つ夢でもあったのです
そしてマリーは、宝石箱を封印しまいました
大切だった宝石箱…もう2度と開けることはありません
だってもうそこにダンシングドール・ナイトはいないんですもの
踊るダンシングドール・ナイトも騎士の姿の彼も大好きだったマリー
でもこれでいいのです
ダンシングドールにとってもマリーにとっても、これでよかったのです
新しい年を迎えると、マリーは王子さまに会いに行きました
王子さまはマリーを抱きしめて誉めてくれました
上手に魔法が使える様になったからです
マリーはこれから、どんな困難にも打ち勝っていく自信を身に付けました
「自信とポジティブなハート」
それが王子さまから教えてもらった魔法だったのです
―完―
ふと、カレンダーを見ると今日の日付に印がついています
マリーはずいぶん前にお友達と約束したことを思い出しました。今日は宝石箱を開けるパーティの日です
クローゼットから宝石箱を引っ張り出して、マリーはみんなをお城に招待しました
ダンシングドールを眺めながら、お話をしたり、お酒を飲んだり、楽しい時間はあっという間に過ぎていきます。お友達と過ごすのはやっぱり、とても楽しいものでした
その夜、ダンシングドールは騎士となってマリーの前に現れました
ちか頃、王子様はご多忙で、マリーも魔法の勉強をさっぱりしていません。忘れかけてさえいました。まだまだ、自分のものにしきれていないのに…
魔法を思い出せないマリーはダンシングドールナイトに本当の気持ちを伝えることにしました。マリーの気持ちを聞いてダンシングドールナイトは少しがっかりした様です
でも、話をしただけでは変わりません。魔法をかけなければ、ダンシングドールナイトは騎士のまま。いつまでもマリーの前からいなくなることはないのです
マリーは目を閉じて、王子様のことを思い出してみました
王子様に教わった魔法を必死で思い出してみましたが、正しい魔法を思い出せません
マリーはもうどうしていいかわからなくなりました。早く王子様に会いたくて仕方ありません
こうしている間にもダンシングドールナイトはマリーの周りで踊り続けているのです
さあ、マリーはこれからどうしたらよいのでしょう
王子様、早く私の側に来て下さい。マリーは涙をこらえるように夜空の星を見上げました