24週
子供病院、初めての産科面談へ
アメリカのトリソミー16モザイク専門家の先生の紹介で(と言っても学会で知っている程度のようだ)産科トップのY教授とのアポが取れた。
まずは、秘書のマダムに、今までの経緯を話す。
とても和かに丁寧に、話を聞いてくれる。
そして、その話が終盤に差し掛かった頃に、Y教授が登場。
その風貌に、まずビックリ。
白髪混じりのグレーのふわふわした天然パーマの髪に、丸いメガネ、紫のハイウェストのパンツに、カラフルな蝶ネクタイ。
かなりエキセントリックな雰囲気。。。
私たちの話をちょっと聞くなり、流暢な英語で話し出す。(ハイレベルすぎて私のほうが理解できない。。汗)
今一番心配なこと。。エコーでは身体的な問題は心臓以外見当たらないが、精神的な方の遅れはどうなのか、初期から成長がゆっくりなのが、どう脳に影響するのか心配だと話すと、先生は、胎盤にあるトリソミーのせいで、成長がゆっくりなのでは?と言う。(つまり脳に影響ないということ?)
とにかく、エコーで脳の血流なども見て行きましょうと。
引き続きのエコーでは、元気そうなピーナッツに会えた。508g。
頭から足の先までかなりゆっくり詳細に見てもらった。心臓以外は全て問題点なしとのこと。
経膣エコーで、脳の様子も見る。ドップラー(胎盤からの血流)なども全て正常。
今後の流れとしては、胎盤もトリソミーがあるせいで、予定日前に成長が止まるかゆっくりになるだろう、そのタイミングを見計らって帝王切開で出産する。なので、今後はこまめに2週間ごとに検診する、ということになった。しかも毎回の検診も、トップであるY教授自らが見てくださるという。これ以上の安心はない。
こちらに戻ってから、これまで病院に行くたびに、ずっとネガティブなことばかり言われ続けていた。
でも産科に移った途端、いま育っている命をどう安全に出産させるか、という雰囲気に変わって、私たちの心は軽くなった。
私たちのピーナツを、ちゃんと「ひとつの命」として接してくれている。
A病院でも子供病院でも、今まで会ったのは遺伝子科の先生のみだったが、小さいながらも頑張って育っているピーナツのことよりも、まるで妊娠継続を諦めた方がいいとでもいうような態度で、正直、こちらの病院はなんて冷たいんだろうと失望していた。
でも実際に出産を扱う現場、目の前で命を扱う現場は違うのかな。。
人間って、長い間、過度のストレスに晒されることは、本能的にできないのかも。
あれだけ毎日泣いて暮らしていたが、とにかく、いまは、私たちの心と身体は前に進むことを求めている。
これからは、心配することに使っていたそのエネルギーを、出産への準備に使おう、と思った。
さあ、赤ちゃんを迎えるための準備をしよう。
早速、お家の模様替えを開始。
そして、多分NICUに入ることになるだろうから、NICUのことを調べたり、NICUの先生とコンタクトをとったり。
出産に必要なものや、未熟児用のお洋服、ベビーカーなどもどんなものがいいのか検討しよう、ということになった。
そして、これからは。
ピーナツが心地いいことをしよう、考えよう。
マタニティヨガに参加したっていいし。もっとお散歩したり。身体にいい事、全部しよう。
長い間ずっと待ち望んでいた、妊娠。
そして今、私は、妊婦さんなんだ。