今年読んだ本の中から印象に残っているものを。
あまりじっくり読む時間はなかった。
けれど他のことよりはしたかもしれない。
すきま時間しかないから本ぐらいしか読めなかったということもある。
なにかとにかく疲労感のある一年だった。
理由は一つではないと思うけど、この疲れの半分は自力で解消できるはずなので
来年は改革していきたい。
少し前にここに書いたもの以外で印象に残ったものを
読んだ時期を順不同で並べると・・・
『カモメに飛ぶことを教えた猫』ルイス・セプルベダ/著 (白水Uブック)
『無人島のふたり 120日間生きなくちゃ日記』山本文緒/著 (新潮社)
『だまされた女/すげかえられた首』トーマス・マン/著 (光文社古典新訳文庫)
『自転しながら公転する』山本文緒/著 (新潮社)
『英国バレエの世界』山本康介/著 (世界文化社)
『18歳の著作権入門』福井健策/著 (ちくまプリマー新書)
『供述によるとペレイラは』アントニオ・タブッキ/著 (白水Uブック)
『自由人は楽しい』池内紀/著 (NHK出版)
『日本の構造』橘木俊詔/著 (講談社現代新書)
『なぜ漱石は終わらないのか』石原千秋/小森陽一/著 (河出文庫)
『ニュータイプの時代』山口周/著 (ダイヤモンド社)
『都道府県の持ちかた』バカリズム/著 (ポプラ社)
『銀河を渡る』沢木耕太郎/著 (新潮社)
『寺山修司とポスター貼りと。』笹目浩之/著 (角川文庫)
『劣化するオッサン社会の処方箋』山口周/著 (光文社新書)
『デパートを発明した夫婦』鹿島茂/著 (講談社現代新書)
『くじ』シャーリー・ジャクスン/著 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
プラス明石書店から出ているエリアスタディのシリーズ
それぞれ理由は異なるけれど、興味深く読みました。
新しく知ったこと、役に立ったこと、その発想に驚いたもの、
小説として物語に感動したもの、文章のうまさ、伝え方に感心したもの、
リサーチ力とおたく度に脱帽したものなどなど。
なかでも、
不気味であり、あまりに理不尽な世界を描いたシャーリー・ジャクスンの『くじ』。
デパートの発明が資本主義の幕開けであり、
良くも悪くも今に続く様々な制度の始まりであったことがわかる
鹿島茂氏の『デパートを発明した夫婦』。
生きる道とはおもいもかけない出会いから始まること、
そしてとらわれないこと、いつでも精神は自由であることを思い出させてくれた
笹目浩之氏の『寺山修司とポスター貼りと。』。
ファシズムの不穏な空気が覆う時代のポルトガルを舞台に、
一人の人間が虚偽の思考と人生から自分自身を取り戻す過程が
実にていねいにサスペンスに満ちた趣向で描かれるタブッキの『供述によるとペレイラは』。
以上の4冊がおもしろかった。
出版年はどれも古いが、はじめて読んだものばかり。
自分にとっては新しい本だ。出会えてよかった貴重書だ。