同室の

老婆の父母を

喚ぶ声が

老母を見舞ふ

我が耳を打つ
赫奕たる曙光に包まれて

この地平を超出し

世界の明け開けたる次元へと逢着したる歓喜が身内を貫いたとき

冥き疑念の胎胚せし予感に

わがこころは戦く

地上の軛からの超脱が別種の被拘束状態への遷移に過ぎないのではないかという

否定しがたい疑惑

わが表象作用の原基の不変性のゆえに世界は明け開かれることなく

大気がエーテルへ、エーテルが暗黒物質へと置換するのみなのではないかという、それ


世界内被拘束現存在の哀しみが

見果てぬ夢の儚さに

目覚めの朝に涙となって頬の上を熱く軽やかに駆け抜けていく

いまは秋
片陰に

憩ふ媼の

かたはらを

まろびころびつ

をとめごの舞ふ