あらすじ

互いの秘密を共有した彼女と彼の中は急接近し、それぞれの自宅で勉強会をするほどに親密に。

しかしある日、雪野に対する有馬の態度が急変。拒絶と感じるほど、冷たい態度をとる有馬に対し、

経験の無い雪野はその真意が読み取れない。

混乱する心のまま、詰め寄る雪野。そして有馬の口から、彼の過去が語られる。。

https://www.nicovideo.jp/watch/1509699890

 

  

 

2話までの爆走コメディが嘘のようなシリアス回(宮沢一家は明るいけど)。

有馬メイン回はこれ以降もほぼほぼシリアスなわけですが、それでもAパートの勉強会やラストの右ストレート(笑)には、カレカノらしさが感じられます。間に何度も挟まれる有馬の心の闇の象徴、鉄筋コンクリートや雨の描写が象徴的でした。

 

 

有「いいよ、もうほとんど終わったから」

 

いつものように二人で委員会の仕事を片付けようとすると、非常に温度の低い返答。

ここの有馬の声色がほんとに怖い。回想によると、先週まではもっと和気あいあいとしてたらしい

 

以下、回想

 

雪「協力というところが美しいわね~」

 

互いの家で勉強会を提案する有馬にノリノリな雪野。

アホキャラが秀才に、楽して教えてもらいたい時の反応っぽいけど、雪野も

一応学年主席取った能力なのでは(笑)

 

 

「ザ・御殿」っぷりに一般庶民丸出しの反応を隠せない雪野。

 

 

もちろん有馬以外への人への猫かぶりは本日も完璧。

 

宮沢家と比べると、父母というより祖父母といった方がしっくり来る老け込み方のご両親である。

これにも一応理由はあるんだけど、それにしても…

 

 

雪「ほほほ…厳しい修行の賜物だわよ~~!」

 

別の幾原作品に出れそうな量のバラを背負うテク🌹

神の視点サイドだと胡散臭い猫かぶりも、他人にはナチュラル清楚に見えるらしい(笑)

 

なんかセカンドチルドレンみたいな髪飾り…って監督同じだった

 

 

翌週、宮沢家での勉強会。「ザ・中流」といった感じのスタンダードな一軒家だけど、

有馬家との格の違いを、ショボめのSEでいじられるのが切ない。

 

 

都「お、おとこおおおおおおおおおおお」

 

アマゾネスしかいない未開の地に、いきなり男が現れた時みたいな反応の母(笑)

 

 

俊「ゆるさああああああん、うちのお姫様をたぶらかす不届きものはあああああああ」

 

「男」の悲鳴だけでここまで拡大解釈して突撃してくる父(笑)

時々入る、雪野の戦闘民族みたいなギャグ描写は間違いなくこの父の遺伝。

 

  

有「はじめまして」

 

圧倒的イケメンオーラで、下々の人間の下世話な疑念を浄化する有馬。

 

玄関に入ってわずか1分なのに、「娘をよろしくお願いします」は笑う

 

 

緊急家族会議。父が破壊したドアが修繕されてる演出がウテナっぽい(笑)

 

 

その内容は、有馬を雪野の「彼氏キープ」にするという、最高に下世話なもの。

 

大病院の息子ということで割引きにならないか黒く企んだり、「でもうち皆元気じゃーーーんww」

「HAHAHAHAHA」のオチで〆るあたり、芸人根性据わってますなぁ<宮沢家

 

 

その後、ますますわかりやすく冷淡になっていく有馬。

仮面優等生の力量を総動員、必死に笑顔を作って、プリントを渡す雪野が切ない。

 

後の話ではむしろ有馬が振り回される側なのだけど、初期の頃は雪野の振り回され具合がほんとにエグイ

 

ピンクの傘ばっかだな(笑)

 

 

優等生を演じて本当の友達がいなかったせいで、喧嘩をしたこともない。

故に、こういう拒否をされても、原因も対処法もわからないので、ひたすら落ち込む雪野。

 

(普通の人でも有馬の情緒不安定ぶりはめんどくさい

 

 

花「免疫ないもんね。彼氏という存在にも、自分の弱点にも」

 

本日2度目の宮沢家。

話をチラッと聞いただけなのに、姉の心情を推察、ここまで的確にアドバイスできる妹たちの精神年齢すごいな。

 

「お金以外なら何でも相談して」の辺りとか、中高生の姉妹というより大学生とOLの会話みたいだ(笑)

 

 

有馬邸。

 

意図的に比較してるのだろうけど、めっちゃ暗い食卓。 

テレビも会話も無いから、冷え切った家族関係に見えてしまう(笑)

 

雪野が想像したように、ご両親が何かアドバイスくれる…どころか、そもそも自分の悩みは

家族に打ち明けてない有馬。事情が事情だけに仕方ない

 

何に悩んでいるかは察してる模様。まぁ聞けないよね

 

お母さん、雪野のことを「とても落ち着いた娘さん」と評してるのが笑える

 

 

家族と話したことで整理されたのか、落ち込む方向から、次第に有馬本人の性格を疑問に思い始める雪野。

 

見栄のため優等生を演じてきた自分と違い、彼は何故そこまで完璧であることにこだわるのか。中々鋭い

 

死んだ目なのに、朗々とした声で「Ah!」とか英文読んでる有馬がシュール

 

 

考えても仕方ない、とばかりに、有馬に無視の理由を直接問いただすも、最大級の乱暴な拒絶にあってしまう。

 

雪野には1ミリも非が無いだけに理不尽だよなぁ…

 

 

自己嫌悪に陥り、たまらずその場から逃げ出す有馬。走る姿がいつしか、幼少期の彼と重なっていく。

 

ここだけ見ると、あの優しそうな両親がDVしてたみたいでこわいな

 

 

「さぁ、おじさんと一緒に行こう」が、不穏な背景色とあいまってやっぱり怖い…(助けられたんだけど

 

なんか、エヴァでシンジ君が自転車盗んだ疑いで捕まった時みたいな演出だ。

 

 

ここの息を整えて、泣きながら必死に涙を止めようと押さえつけて、なんとかいつもの自分に戻ろうとする

有馬の演技がすごかった。

 

Aパートでは別人のように冷たく、Bパートでも長い長い一人台詞に感情の起伏を持たせてるし、全体的に鈴木千尋さんの演技力の高さが光る回。

 

 

パプリカの今敏監督作品のキャラみたいな渋い顔で泣く雪野。

 

 

厚貌深情:真面目で正直そうな顔つきだが、本心は深い部分に隠していること。 または、その隠している本心。

 

まんま今回の話ですな。にしても、濃いAパートだった…

 

 

雪「無視には無視!これしかないわ」

 

毎週やられ続ける悪の幹部みたいな顔で悩む雪野。

 

論理的な彼女の頭が導き出した回答は、解決ではなく徹底的に戦う事(笑)

 

雪野のこういうとこ好きですな

 

次の日

 

雪「どけよ」

 

「無視には無視」と言ったのに、なぜかクラスメイト全員に当たりがきつくなる雪野(笑)

 

この「被害者」みたいな顔で困惑する有馬にイラッとくる

 

モブの一人は、まさかの山口勝平さん。

 

 

虐待にネグレクトまでやってた凶悪な実の親から救い出してくれた今の義理の両親。

 

しかし↑の画像だと20代後半くらいに見えるのに、

わずか8年足らずで60代ぐらいの初老の夫婦に老け込んでしまった理由の方が気になる…

 

 

シカト作戦続行中の雪野。有馬から声をかけられるも、

 

 

シカトしすぎて前方不注意に。デスマスクみたいな顔の型が(笑)

 

 

イケメンオーラを醸しつつ謝罪。

 

宮沢家の一件といい、やはり顔の良さは正義。

 

「宮沢には敵わないな…なんか無茶苦茶なんだもの」

いやいや、君の方が無茶苦茶だったからね

 

 

すっかり雨の上がった夕暮れの教室で、ぽつりぽつりと無視の理由、自分の出生を語り出す有馬。

 

それは勉強会で雪野の家に行った時に気付いたこと。

 

有「改めて自分の家との違いに気付かされた。普通の家族ってこんな感じなんだって思った」

 

男が来ただけで、家のドアぶち破って突撃してくる家族は普通なのか(笑) 

 

 

 

盗み恐喝は当たり前、果ては多額の借金残して蒸発、というのが有馬の実の親。

 

雪野に素をさらけだし、優等生としての仮面が剥がれていくのを感じる内、自分の本性は

その最低の親から受け継いだ真っ黒なものなんじゃないか…ということに恐怖するようになって、

だから雪野を遠ざけた…ってことなのか

 

2話で、雪野に脅しみたいなのをかける有馬は、確かに堅気じゃない空気はあった

ものの、そんなに深刻なものだったとは。 

 

どっちかというと、この話で雪野を遠ざけようとしてる時の絶対零度みたいな有馬の方が、

ブラックで怖かったので、何か悩む論点がずれてる気がしなくもない。

 

 

有馬の思う雪野の本質と、有馬の想像する有馬自身の本質との温度差が(笑)

 

シリアスすぎる

 

 

 

ただ、有馬自身も認めていたけど、それは雪野のせいじゃないし、

もし、有馬の本性がほんとにその最悪の人格なのだとしたら、別に雪野一人を遠ざけたところで

何も変わらない気がするんですよね。

 

自分と雪野の違いを毎日のようにまざまざ見せつけられるのが苦痛…って意味なら、

確かに理解できる心境だけど。

 

  

なんか今回ぬるぬる動きますな(笑) 5秒ごとに違う作画のアニメを見てるようだ…

 

有馬が完璧であり続けなきゃいけない理由は、育ててくれた義理の両親への恩返しと、

彼らが親族からゴチャゴチャ言われないようにするメンツのため。

 

さらに言うなら自分を捨てた悪辣な肉親と自分は違うことを証明したかった…というもの。

 

「周囲からよく思われたい」=見栄のため一本でシンプルに仮面優等生やってきた雪野さんは、

この重い事情をどう受け止めるのか

 

雪「本当の家族や友達って、きっと相手の欠点を受け入れた上で、それでも好きっていえるってことよ」

雪「(私、この人が好き)」

 

家族はともかく、本当の友達がいなかった雪野が言うと、なんか深みを感じる台詞。

2話の時とは別の意味で、改めて有馬の友人になりたいと思ったってことなのかな。

 

からの

 

このメリハリ

 

いなごさん、カレカノはリアタイ世代でなく、その数年後にキッズステーションの再放送で見たクチなんですが、

この右ストレートのシーン、何回もCMで流れてたので印象的でした(笑)

 

まぁ、少女漫画漫画した感じのアニメではないので、ここを「象徴」みたいに持ってくるのは、

確かに間違ってない

 

バックが同じ夕暮れ色なのもいい仕事してます

 

 貫通(笑)

 

有「これが本当の有馬君!」

 ここ

 

 

冒頭の有馬とシンクロしてたんすね。気付かなかった

 

 

雪「ロクデナシなんかじゃないよ。私こっちの有馬の方が好きだもの。

本当の有馬は外に出たかったんだよ。仮面を作るのをやめて、自由に自分の意志で外に。

そいつが私を見つけたのよ。すごいことよ」

 

爽やかにまとめるぅ

 

 

ついでに雪野自身も優等生止める宣言まで。ちょっと飛躍してないか(笑)

 

熱いですなぁ

 

有「本心さらけ出した後も、気持ちは変わらなかった。好きだったな、ずっと」

 

爽やか友情話と見せかけて、最後に爆弾落としていきますね…。この何気ない一言が、次話で雪野をじわじわ苦しめるわけですが

 

何はともあれ、3話レビュー終了! 長々お付き合いいただき、ありがとうございました('ω')ノ