突然ですが、あなたにとって「母の味」ってありますか?

先日、冷えとりおはなし会でお世話になった加藤敦子さんと
帰り道にそんな話をしていました。

加藤さんは、子どもの頃体調が悪くなったときに、
お母さまが火鉢に火をおこして、鉄瓶で温めてくれた白湯の味が忘れられないそうです。

私は、病気のときに作ってくれる卵の入ったお粥です。

1月に私がインフルエンザになったときに母がお見舞いにきてくれたのですが、
そのときに久しぶりに母の作ったお粥を食べました。

小さい土鍋でお米から炊くお粥。
卵の半熟加減、いつもよりしょっぱさを感じる味。

熱にうなされながら、小さい頃病気になったとき、父の仕事の合間に作って
看病してくれたときのことを思い出しました。
私にとっての母の味は、このお粥なんだな、と。

私の母は2年前に病に倒れ、今は薬や治療でほとんど味覚がなくなってしまっているのですが、
それでも、このお粥は昔と変わらない、いつもの味でした。

大人になっても、母の前では私はいつまでも子どものまま。
なんだか優しい愛情を感じた、そんなひとときでした。

今では、食に関しても便利な世の中になって、
24時間コンビニやスーパーでお惣菜は買えるし、
電話すれば宅配で届けてくれるけど、
自分の子どもに「母の味は?」って聞いたときに、
お母さんが買ってきてくれたコンビニのおにぎりやスーパーのお惣菜!
・・・って言われたくないですよね。

私が子どもに伝えることのできる「母の味」って何だろう?
そんな凝ったものじゃなくてもいい、素朴でいいから
何か一つでも「母の味」といえるものを子どものために心を込めて作りたいな。


あなたは、「母の味」を覚えていますか?
子どもに伝えたい「母の味」ってありますか?


(おおたけかおり)