片思いをして話す機会を作ったりしてくうちに、恋人になるのは人間と同じだ。
(レストランがないから、ご飯を一緒に食べたりしないけど!)
「告白は男子がする」
それがルールだ。だから好きな男子が恥ずかしがり屋だったり鈍感だと、女子は何とかして告白させようと、あの手この手の作戦を練る。
そのうちやっと二人きりで会えるようになり、楽しく過ごして寮に帰宅すると、黙っていても
みんなにバレる。
感情は匂いのようなもの。
辺りに広まって、隠せない。
相手は誰か、なんで機嫌がいいのかの理由まで筒抜け。
友達だったらうまく行ってるのね、と共に喜ぶし、親しくなかったら知らないフリをするだけ。黙ってても何でも分かってしまう暮らしにはそれが礼儀だ。なのに一人や二人は噂を流す。
それからじきに、夕食後に寮から抜け出すのをみなで黙認する。だから別れたとかもみんなに知れ渡るのもあっという間だ。破局したある女の子はこんなに何でもすぐに知られるなんてイヤだ恥ずかしくて外に出られないと泣きはらしていた。
だが逆に女の子が酷い目に会わされるとこちらは一致団結して女の子を守ることもある。多勢に無勢、たいてい男子は反省する。
順調に行って結婚しよう、となると直属の神様に結婚の許しをもらいに行く。そこで「宜しい」となれば結婚できる。
結婚すると、既婚天使の住む場所に引っ越していく。
結婚しても、男子は今までと同じく仕事をする。
しかし、女子は違う。
引っ越したとたんに女子は他人の子供の面倒をみなくてはならない。自分に赤ちゃんが生まれるまでは、他人の子供の世話をしなくてはならない。子供たちの世話に限りがない暮らしでは今までのように仕事はできないし、住んでる場所から自由に外出も出来ない。
なかなか古風な習慣だ。
mio