気がつくと、遊び仲間の子が減っていました。
注意して周りの子や天使さんを見ていると、お母さんを見つけたので、下に行く子が増えてきたのですね。
今頃あの子はどうしたかな。。。
一人になると、友達をふと思い出しました。
私を思い出してくれるかな。。。
子供の数は更に減っていきました。そんなある日、天使さんは残った私達にそろそろ下に行きましょうと促しました。私達が残っていると、小さな子達はここに来られないからと。
子供達任せにしていたお母さん選びに、天使が率先して一緒に探し始めました。仲間が減るのは寂しいものでした。ここにいたいと泣く子もいました。お母さんのお腹に入ったものの、遊べないし狭いのが嫌で、何度もお空に来る子もいました。天使は初めはなだめていたのに、だんだんきつく叱るようになりました。私達は手のひらを返した態度が怖くなりました。
頑張って下を眺めてもあのお母さんほど、すてきな人はいませんでした。天使と一緒に窓から下を見て、天使にあの人は?と言われても、全然嬉しい気持ちにはならなくて「他の人が」と言うと、その度に天使の不機嫌さが伝わり、苦しい気持ちになりました。
次第に天使は決まってある人を見せるようになりました。真面目そうだけど怖そうな人です。ムスッと機嫌悪そうな顔をいつもしてました。
こんな人、気に入るわけないよ。
天使は「だからあなたが明るく笑わせてあげるのですよ。あの人を助けてあげなさい。」と妙に優しく言います。
子供ながら天使がこの人に決めようとさせてるのは分かりました。押し付けがましい天使とお母さんにしたくない人から逃げようと、私は何とか他のお母さん候補を見つけ、この人をと話すのですがことごとく却下されました。
「だから、あなたにはあの人がいいんですよ。」
「あの人はまじめですから、あなたを良く世話してくれますし、赤ちゃんを欲しがっているんですから。」
こんなやり取りを繰り返し、切ない気分でムスッとしたお母さんを見てると、もうダメだ、この人の子供になるしかないんだとがっかりしました。生まれたら、ずーっとここには来られない。
下で暮らすのが悲しいな。
気に入った人をお母さんにしていいって言ったのに
みんなそうして出ていったのに
私は、違うんだ。。。
ステキなお母さんを見つけ、楽しそうにここを去っていった子の姿を見送り続け、自分が惨めに感じました。だいたい、初めの担当者選びがうまくいってたら!この天使は嫌なんだもん。そのせいで、お母さん選びがうまくいかないんだもん。
mio 


