ウラジャノメ、一般にはあまり馴染みのないこの生物、実はその存在と特性には驚くべき事実が隠されています。

今回も、その全貌を明らかにするため、レピドプテラの世界に深く足を踏み入れています。

この記事は、レピドプテラ愛好家の川西正芳がウラジャノメの紹介で、その特徴から生息地、環境までを詳細に掘り下げています。では、一緒にウラジャノメの不思議な世界へと飛び込んでいきましょう!

 


ウラジャノメの特徴

 
 
 
ウラジャノメは、その名前が示す通り、独特の目玉模様が特徴的な蝶であり、翅には鮮やかな色彩が施されています。
翅を広げた時の幅は約45~50mmとなり、その翅の表面は茶褐色で、裏面は黄褐色を呈しています。
さらに、前翅と後翅の表裏には、目立つ目玉模様が縦に並んでおり、後翅の裏面の目玉模様の内側には白い帯が走っています。
 
 
ウラジャノメについて昆虫愛好家の川西正芳が解説


ウラジャノメの幼虫はスゲ類を主食とし、冬季には幼虫のままで越冬します。
これは、寒い季節を生き抜くための生存戦略の一部であり、春になると再び活動を開始します。
また、成虫は年に1回だけ発生し、その活動期間は6月末から8月上旬までとなっています。
この期間中にしか目撃することができないため、その出現は一部の人々にとっては貴重な体験となります。
 
 
 

ウラジャノメの生息地と環境

 
 
 
ウラジャノメは、その分布域が広範にわたります。
海外ではヨーロッパ中部からユーラシア大陸、朝鮮半島に至るまで広がっており、国内でも北海道から本州中部にかけて広範囲に生息しています。
特に東北や中国地方では遺存的に分布しています。
また、富士宮市の天子山脈、静岡市北部、浜松市天竜区など県内でも記録があります。
 
 


ウラジャノメの生息環境は標高約1,300〜2,000 mの地帯で、林床が明るく、イネ科やカヤツリグサ科の草本が豊富に生育している落葉広葉樹や針葉樹の疎林が主になります。
しかし、林床がササ類で覆われているような環境では見かけられません。
 


生息状況を見ると、富士宮市毛無山では1970年代まで記録があるものの、その後の調査は行われていません。
一方、大井川上流では古くから安定した生息が確認されていましたが、最近ではその数が激減しています。
中部や西部の山地でも記録があり、特に竜頭山周辺では遊歩道の整備に伴う疎林環境の形成が個体数の増加に寄与しています。
 
 
如何でしたでしょうか?
次回も昆虫のご紹介で皆様にレピドプテラの魅力を感じて頂ける記事を更新してみたいと思います。
では、次の更新でまた!