LEOS NY REPORT 酷暑の7月があったと思ったら、今年のニューヨークの冬はとにかく雪、雪、雪...。まずはクリスマス明けの1226日の大吹雪から始まった。もう前が見えない。世界が文字通り真っ白。一日で一気に1m以上の積雪となってしまった。ニューヨーク全体で街の機能が完全ダウンとなった。



冬のまず一発目がこれだけ大きい雪の被害となり、市内もかなりの混乱に
...。通常の状態まで復活する一歩手前で、また雪。これ以降は3日に一度の割合で、5cmぐらいの雪が何度も降っている。

LEOS NY REPORT アメリカは世界で唯一(?)気温を華氏で示しているが、雪の多さに比例して気温もサッパリ上がらない。ニューヨークの冬はとにかくグレー一色で、これに寒さと大雪が加わると、これ以上暗くなりようがないという気分なので、氷点下になっても数字がマイナスにならない華氏表示の気温は、唯一のナグサメ(まぼろし?)である。摂氏0℃は華氏では32度だが、LEOS NY REPORT この冬はとにかく寒い。ではどのぐらい寒いかというと、まず30度代を下回る。これで氷点下突入。20度代前半になると、街中で早足になる。20度前後になると、外出しなくなる。それを下回ると、言葉が無くなる、外に出なくなる、空気はカラカラで霜もおりないのに、水分が無いところでも表面が凍っている。今年はこれに大雪が加わった。雪国の方は十分御存知と思うが、雪が降るときは比較的暖かい。寒いのはそれから。それにしても何度も雪が降るというのは、ニューヨークでも珍しいが、 豪雪吹雪の時には歩いていても前が見えないほどで、どうしてこんな気候のところに大都市があるのか不思議に思えてきた。位置的にも毎年寒さは付き物だが、四季の豊かな日本語に負けず、聞くだけでも寒気のする表現をこの時期耳にする。

Low Pressure まず低気圧が来る=明日は天気が悪いということ。当然高気圧はhigh pressure

悪天候もレベルが上がるとstorm(嵐)になる。この冬はsnow stormwinter stormが何度もあった。日本語だと吹雪だが、前が目内ほどの吹雪のときはLEOS NY REPORT blizzard。クリスマスの翌日がまさしくこれだった!Blizzardで街中雪が積もり、white-out(一面銀世界)!この激しい天気続きで、この冬は何度もWinter Weather Advisory(雪などに関する冬の悪天候に対する注意喚起)が発表された。ちなみに気象関係の注意喚起(Weather Alerts)の種類は注意報がadvisory、警報はwatch (thunder watch) 、それよりもひどいとwarningとなる。例えばsnow storm warningだと、もう外出禁止令並みの注意喚起となる。なんと言っても一番寒気がする気象用語はArctic weather(北極圏から押し寄せる冬の気候)。天気図なんかで、カナダの越えて北極圏からやってくる寒波や低気圧なんかを説明されると、それだけで寒い。ちなみにニューヨーク市内では、この冬に悪天候のために公立学校が閉鎖となった日もあった。子供にとっては嬉しいボーナス、働く親にとっては思いがけない悩みの種...。夏になれば、heat wave(熱波)やsleepless nights(眠れぬ熱帯夜)、scorching sun(射すような日差し)、muggy weather(蒸し暑い天気)がやってくる。ニューヨークも四季折々、聞こえてくる英語が変わる?

どの国にも引越しシーズンはある。ちなみにニューヨークは大学生が卒業する5月と、入学する8月末から9月にかけてがピークだ。狭い住居が多いので、引越しの荷物は比較的少ない方だが、それでも引越しは一人ではなかなかできない。しかも車を持っている人が少ない街なので、 引越し業者を雇うというのはまず最初に思いつくかもしれないが、LEOS NY REPORT よっぽどの事情がない限り、ニューヨーカーは引越しにお金をかけない。私も学生時代は8回も引越しをした。自分で持っている家具は椅子と小さいデスク、寝袋、最低限のキッチン用品、パソコン、衣類ぐらいのもので、ダンボール6箱もあれば足りるほどの量だった。で、ピザと安いバドワイザーで友達にヘルプを頼む。学生の友達3人ぐらいと、レンタカーで小型バンを借りて一往復で終わる。

学生は特に貧乏なので、さらに節約。その方法その1は、卒業して街を離れていく学生から何でも下取る。教科書はもちろん(新品の教科書を買う率はせいぜい半分ぐらいでしょうか)、家具、食器、カバンなど、何でも安く引き取る。学校周辺には必ずルームメイト募集や中古品セールの張り紙が集中する場所ができるものである。街を離れる側も、ことごとく荷物を減らしたい、でもなるべくお金にしたい、ということで、需要と供給が合うのだ。

節約方法その2:家具購入。中古の家具意外は、スウェーデンが世界に誇る(?)IKEAでゲット。組み立て家具で移動も簡単、何よりも値段が安い!ただIKEAでは落とし穴が。まず不良品のLEOS NY REPORT 確立が高い。また、車を持つ人が少ないニューヨークでは、いくら組み立て家具でも大きな家具は持って帰るのが大変。IKEAでは確かにホームデリバリーサービスを行ってはいるが、これは別業者に委託しているもので、当然ニューヨークの業者はずさんそのもの。1万円も料金を取るくせに、指定日に配達は来ないし、エレベータのないビルについては追加料金がかかる。配達の途中で荷物が破損することも。ついてはIKEAで安心して買えるものも限られる。

こんな事情が重なり、ニューヨークでは中古として売り手がつかなかった家具を捨てるしかなくなる場合もある。もったいないのは承知だが、引越しにお金はかけられないし、車が無ければ捨てていくしかない。なので引越しシーズンにはごみ収集日に道端に捨ててある家具を良く見かける。ここからタダでいただくというのも、生活必需品ゲットの方法である。椅子やデスクランプなどはよく道に捨てられているものの代表だが、一番引越しでやっかいなものは大きな家具、ベッドは得に大変である。ニューヨークのベッドの運命はさまざま。引き取り手もなく(引き取るにも運ぶ手段が必要だものね)、結局持っても行けないので、捨てるしかない。新品でも道のごみ収集所の山にマットレスやベッドが捨ててあるのを見かける。私も夜LEOS NY REPORT 帰宅途中に、家からかなり離れた場所で素敵なベッドを見つけたことがある。当然一人では運べるものではなく、地下鉄でしか帰宅できない場所にいたので、仕方なくあきらめたが、何とももったいない...

無事に救われたマットレスも見たことがある。学生時代に、まだビニールがかかったマットレスを道でゲットしたルームメイトがいた。たまたま帰宅途中の道端で発見、一人では運べないので私に携帯でヘルプコールがかかってきた。その後彼女はそのマットレスを4年は使っていた。ベッドは大きいだけあって、買うとやっぱり高いもんね...。ゴミもたくさん出る街だけど、somebody’s garbage is other’s treasureって言うのは、まさしくこういうこと。

仕事場に過去の新聞や雑誌の記事が溜まっていた。一番古いもので、 1年ぐらい経った新聞などは、さすがに紙が黄ばんでいる。思い切りこういうのは整頓!と、勢い付いて軽く中身をパラパラと確認てついつい記事を見ると...H1N1ウィルスの話がここかしこに!H1N1って、いわゆる世界中を揺るがした豚インフルエンザ(英語ではswine flu)!日付を見ると200910月半ば。H1N1からまだ1年も経っていなかったっけ?!時間が経つのがあまりに早いのを痛感してしまった。仕事柄、いつも3個月以上先の予定を見ている生活なので、タダでさえ時間が経つのが早く感じられるのだが、この整頓ではつくづく時間が過ぎる早さを見せ付けられた。

ちなみに豚インフルエンザは、発病源とされるメキシコには当然大きな打撃だったが、国境を接するアメリカよりも、日本での方が100倍ちかく騒がれた。マスク、消毒スプレーなど、潔癖症?と首をかしげるほどの徹底した「予防」。アメリカでも当初は、この新型ウィルスにどう対応していいのかがはっきり見えない時期があり、そんな中で感染者、死亡例が出てきて大騒ぎにはなった。が、次第にニュースで通常のインフルエンザや肺炎よりもかかる率は低い、という発表が繰り返し行われ、「people, calm down! (みんな~、落ち着いて!)」的なムードで沈静化された。

さて時が過ぎるのが早いと感じるのは、誰にでもあること(ですよね?)。大都会のニューヨークではなおさら。みんな早足だし、情報は溢れているし。「時は金なり」の諺にもなっているほど、日常的な感覚。ちなみに私は「時は金なり」の英訳time is moneyが嫌いである。ニューヨークに多いウォール街ワールドならまだしも、お金に対する貪欲さに疑問を感じる私としては、time is moneyではなく、time flies…である(時間はふわ~っと飛んでくよね~)。Time passes at a light speedなんていうのも聞いたことがある(光陰矢のごとし、ですかね)。「つくづく」ってどう訳しますか、と聞かれることがあるが、「時間が過ぎるのが早いとつくづく感じる」なんて場合は、time REALLY fliesとか、time DOES flyっていうのがいいですかね。ちなみに書面では大文字で書くと気持ちが現れますよ~。

これを読んでる暇に、time flies a bit! でもそれぐらいのゆとりは欲しいもんです。