チョン・ミョンフンの最新作、「piano」を聴きました。
女友達から、誕生日のプレゼントにもらいました。

この盤は、チョン・ミョンフン初めてのピアノソロアルバムです。


これまで、ミョンフンのピアノは、チャイコフスキーの協奏曲と姉たちとの室内楽しか聴いたことはありませんでした。

どちらかといえば、華のない地味な印象を受けていました。


ところが、ソロアルバムとして、ピアノがクローズアップされているのを聴くと、バリバリ弾くよりもどちらかといえば、音色を生かした弾き方だと思いました。

華があります。

協奏曲向きの奏者というよりもソロに向いているなと思いました。


このアルバムは、小品集です。

ドビュッシーの「月の光」、ショパンの夜想曲が二曲、シューマンの「トロイメライ」と「アラベスク」、シューベルトの即興曲が二曲、ベートーヴェンの「エリーゼのために」、チャイコフスキーの「秋の歌」、モーツァルトの「キラキラ星変奏曲」が収録されています。

激しい曲はなくて、叙情的な曲ばかりです。


中でも、「エリーゼのために」は、バイエルの巻末についているような初心者向けの曲ですが、この曲を大真面目に弾いているピアニストはそう多くはないのではと思いました。

このような単純な曲ほど、技術の差が出てきます。

分散和音の美しさに惹かれました。

そのことは、他の作品にも共通しています。


全体に、ミョンフンの音色の美しさに惹かれます。

やはり、協奏曲よりも、こういった小品のほうが、ミョンフンのピアノには向いていると思いました。


チョン・ミョンフンは、もっぱら指揮者としての活動ばかりしているようですが、もう少しはピアニストとしての演奏活動をして欲しいと思いました。

同じピアニスト出身の指揮者、バレンボイムやアシュケナージは、もっと多くピアノ奏者としての活動をしているのですから。

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