蔵書の中から、高木彬光の「帝国の死角」上巻下巻が出てきたので、早速読みました。

上巻には「天皇の密使」、下巻には「神々の黄昏」というサブタイトルがついています。


上巻は、第二次世界大戦の前夜、密命のためドイツに派遣された海軍少佐鈴木高徳の手記です。

密命とは、スイス銀行の天皇家の秘密預金を使って、兵器開発に必要な白金を買い付け、日本に送ることです。

もちろん、美しい伯爵未亡人との恋愛だとか、計画を邪魔して白金を横取りしようとするナチス将校。

そして、スイス在住のロシア人の血を引くスイス籍の、日本人より日本人らしい傑物。

上巻は、そんなにミステリーの部分は、薄く、スパイ小説としてよんだら、いかがでしょう?

私は、この本で、ヨーロッパの第二次世界大戦の大体のことがわかりました。

スパイ小説(エスピオナージュ)としても、一級品です。


さて、下巻です。

下巻は、上巻の20年後という設定です。

鈴木高徳の息子が主人公です。

上巻の内容を踏まえてのお話です

まあ、トリックというほどもない、地味な作品です。


前半がすばらしい、後半が地味。

でも、全偏読み通したほうがたのしいですよ、