ケーゲルボックス七枚目、八枚目は、ブリテンの「戦争レクイエム」、ペンデレツキの「広島の犠牲者に捧げる哀歌」、ベルクのヴァイオリン協奏曲です。

戦争レクイエムは、声楽曲で、歌詞対訳がついていないので、それを探してからにしようと思いますので、今日のところはパスしておきます。


広島の犠牲者にささげる哀歌は、以前私がこのブログで、「クラシック音楽世界三大怖い音楽」であげた作品です。

トーンクラスターの炸裂する、非常に耳に突き刺さってくる音楽です。

哀歌とはいっても、けっして甘さのある曲ではありません。

悲惨と言ったら、これ以上悲惨な音楽は、他に聴いたことはありません。

ケーゲルの表現も、容赦なく鋭く切り刻んで、この曲の悲惨さを余すことなく表現しつくしていると感じました。

なお、この作品の作曲された後では、音楽で広島の原爆を題材にすることは、非常に無謀なことであると考えます。


ベルクのヴァイオリン協奏曲は、副題に「ある天使の思い出のために」とあるように、レクイエムとしての性格がある作品です。

天使とは、マノンという名のベルクが非常に可愛がっていたけれど、成人する前に急病でなくなってしまった少女です。

その少女の追悼のためにこの作品を作曲しました。

十二音で書かれた作品ですが、響きには調性的な後期ロマン派の雰囲気が漂っています。

十二音の音楽では、最も親しみやすい作品であるといえます。

この演奏では、ケーゲルもいつものザクザクと切り込んでいくいかにも現代音楽という鋭さよりも、後期ロマン派風の穏やかな演奏をしています。

そのあたりが、ケーゲルの表現主義的で壮絶な表現を期待すると、少し拍子抜けと言えばいえるかもしれません。

でも、その分、癒されるような雰囲気があり、これはこれで得難いものだとも思います。

久々に、ベルクのヴァイオリン協奏曲を堪能しました。


ソロは、マンフレート・シェルツァー。

聞いたことがない名前なので、もしかしたらオーケストラの首席奏者かもしれません。

地味ですが、ケーゲルの表現と良く合っています。