ケーゲルボックス六枚目は、ヴィヴァルディの協奏曲とシンフォニアです。

シンフォニア2曲と、オーボエ、ファゴット、フルート、チェンバロの4曲の協奏曲です。


ヴィヴァルディの協奏曲といえば、このところ軽視されることが多いです。

同じ協奏曲を100曲書いたと酷評されることもあります。

どの曲を聴いても同じだと。

しかし、こうして何曲かを選曲して、聴いてみれば、ヴィヴァルディはやはり音楽史に名を残すだけはあると気がつきます。

そして、演奏によって生きも死にもするということを。


さて、ケーゲルの演奏です。

モダン楽器での小編成の室内管弦楽団です。

近年は、モダン楽器によるバロック音楽の演奏は、時代遅れだといわれています。


しかし、問題は演奏の良し悪しです。

この演奏では、ケーゲル特有の殺気だったリズムと、ざくざくとした弦楽合奏と、澄み切った響きに惹かれます。

特に、最後に収録されているシンフォニア「聖なる墳墓にて」の吸い込まれるような凄みが印象に残りました。


もちろん、独奏者もケーゲルの表現に合った演奏をしています。

ケーゲル主導の演奏だったと見えますが、しっかりと独奏者を立てています。


ところで、なぜケーゲルがヴィヴァルディを演奏したのでしょうか?

近現代音楽を主要なレパートリーとしているとしているケーゲルがです。


この演奏で、ケーゲルはヴィヴァルディを現代音楽の方向からアプローチしています。

まるで新古典主義の音楽のように。


そう考えると、なぜケーゲルがヴィヴァルディに注目したかが理解できました。