自民党の日本国憲法改正草案には、第25条の2で環境保全の責務、すなわち環境権を明記しています。
環境権については、憲法に明記する必要があるという人が多いでしょう。
しかし、現行の日本国憲法では、環境権は保障されないのでしょうか。
確かに、現行憲法には、環境権についての条文はありません。
実は、保障されるということが、学説では常識なのです。
根拠条文は、第13条と第25条2項です。
まずは、13条の幸福追求権により、国民が良好な環境を享受する権利ということが導き出せます。
そして、25条の2項の、国は公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないとの規定により、環境保全を国に要求する権利もあるとの見解です。
この解釈を元に、環境権を明記した立法が要求されますが、いまだに国は環境権を認めていません。
また、裁判所の判例でも、環境権は認められてはいません。
これらのことは、決して憲法の欠陥ではなくて、立法者、裁判所、ひいては行政機関の怠慢でしかありません。
自民党の憲法改正草案では、以前にも触れた障害者の権利、環境権といった口当たりのよい条文をあげて憲法改正を迫ってきていますが、だまされてはいけません。
全ては、現行憲法でも保障されていることですし、自民党の改憲案では、一つの条文だけを見ていると進歩しているように見えても、他の条文とあわせて考えると、国民の権利が大幅に後退しているとに気づかなければならないでしょう。
くどいようですが、だまされてはいけません。