私の両手は、最近ずっと傷だらけです。
と言いますのも、実は毎日猫に薬を飲ませているからです。
うちのミーちゃんは、慢性の腎不全です。そんなわけで一日一錠錠剤を飲ませているのですが、薬を飲ませるのには猫を捕まえて指で口をこじ開けて錠剤を口に放り込む必要があります。その時に猫が嫌がって爪を出して私の手を払いのけようとして、傷を作ることとなります。
そんなわけで、私両手は猫の爪跡だらけになってしましました。
仕事上、動物の死骸を扱ったりするのですが、そのあとで手を消毒液で消毒するときは傷口にしみます。
でも、かわいいミーちゃんがつけた傷ですので、私は平気です。
ペットの付けた傷ということで思い出してしまいます。
実は、私は以前イグアナを飼っていたことがあります。名前は龍之介といいました。私の飼い方がまずくて5年目に死なせてしまったのが悔やまれてなりません。
実はイグアナは自然界では樹の上で生活しているため、鋭い爪をもっています。そして猫と違って爪をひっこめることはできません。
イグアナは、外見に似合わず性格は温厚です。人に襲いかかったりすることはありません。だから、決してこの爪で人を引っ掻いたりすることはありません。
でも、人の腕に樹と同じようにしがみついてきたりよじ登ったりしてくるときに、鋭い爪でざっくりと腕に傷を負わされるということがしばしばあります。イグアナ自身には害意はなく、ただ人の腕と樹とを区別していないだけなのですので、イグアナを責めるわけにはまいりません。
私も、しばしば龍之介の爪にずいぶんと派手にざっくりと傷を付けられました。でも、かわいい龍ちゃんの付けた傷だと思うと腹も立ちませんでした。
今でも、私の腕には龍之介の付けた傷跡がいくつも残っています。知らない人が見たら、リストカットの痕と勘違いするかもしれません。
でも、これもまた今は亡きイグアナの龍之介の思い出として、愛しいものと思っています。
ミーちゃんも慢性腎不全でもうそんなに長生きはできないと獣医さんに言われています。あと何年か生きる可能性はあるとは言われましたが。
将来では、手に残った猫の爪の傷跡を見て、ミーちゃんのことを思い出すということがあるのかもしれません。