【四強時代の終焉】


1980年台後半、車体を覆うフルカウルをまとった国産の1000ccクラスのバイクが、270Km/h以上の最高速と、極めて高い高速巡航性能をセールスポイントに、世界のバイク市場を席巻していました。

同クラスの外車と比較しても、圧倒的なまでに高性能な日本車は、ヨーロッパや北米で多くのバイクファンの心を掴んだのです。


当時の主な1000ccクラスの国産バイクとしては、HONDAのCBR1000F、YAMAHAのFZR1000、SUZUKIのGSX-R1100、KawasakiのZX-10等があります。

それらのバイクは、各社のコンセプトやポリシーの違いから、乗り味やハンドリングに若干の違いはありましたが、性能的にはほぼ全てが拮抗していました。


HONDA CBR1000F          YAHAMA FZR1000


SUZUKI GSX-R1100         Kawasaki ZX-10


そのような中で、1990年に Kawasaki から ZX-10 の後継車として、ZZ-R1100(C型)が発売されました。通常時で最大147馬力、フロントカウルに装着されたラムエアーインテークにより吸気が加圧された状態では、4輪車に匹敵する160馬力近くのパワーが発生し、頭一つ以上抜きん出た性能でデビューしたのです。

実速で290km/h近い性能は当時としてはセンセーショナルで、フェラーリの最速マシン、テスタロッサをも越えるものでした。


Kawasaki-ZZ-R1100-1990.jpg
Kawasaki ZZ-R1100(C型)


東京モーターショーや雑誌でZZ-R1100が発表されたときは、「今度、カワサキからこんなのがでるんだ・・・ ふ~ん・・・」ぐらいの反応だったと思います。


私自身もZZ-R1100に対しては大した興味は無く、それよりもフロントが17インチ化されたGPz900R(Ninja)の方が気になった程です。

スタイルそのものは従来のマシンZX-10と似ていたし、さらにその前モデルであるGPz1000RXからZX-10への進化の方がインパクトがあったため(アルミフレーム化&ラジアルタイヤ装着)、逆に肩透かしを食ったような心境でした。


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ZZ-R1100 の主な諸元は以下のとおりです。


型式:ZX1100C
発売日:国内販売無し(逆輸入でのみ購入可)


全長×全幅×全高:2165mm×720mm×1210mm
軸距:1480mm
シート高:780mm
乾燥重量:228kg


エンジン型式:4ストローク並列4気筒(DOHC16バルブ)

冷却方式:水冷
排気量:1052cc
最高出力:147PS/10500rpm
最大トルク:11.2kgm/8500rpm


燃料タンク容量:21L

タイヤサイズ 前:120/70-17
タイヤサイズ 後:170/60-17


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