口の中の奇病 | SHINO LEONOR KAMEDA

SHINO LEONOR KAMEDA

by かめだしの

$Leonor × 365-口の中の持病
中学1年のある授業中。
突然口の中に違和感を感じました。

舌の裏側の真ん中に走っている舌を口の中におさえている線、
その線に両脇から繋がっている線。
その片方に、あまりにも強烈な違和感を感じたのです。

パンパンというか、
痛いというか、
張っている?
そういう。

学生鞄の中に入っていた小さな手鏡で、
舌の裏を見てみると、
その片方の線がとても腫れていて、
その線の最終地点、舌裏の真ん中あたりで、
そのリンパ腺の様なものが尖って、今にも何かを吹き出しそうになっているのです。
触ってみると、何か固くて、石が詰まっているような感じでした。

気になって気になって、
いつまでもいつまでも、授業中には舌で探り、
休み時間にはトイレの鏡で見ながら触り、
そうこうして何時間も過ぎ、
ある授業中に、そのリンパ腺が破裂したのです。
口の中に血液の味が広がって、
でも、触ってみるとそれは血ではなく、リンパ液のような透明の液体でした。
完全に鉄の味がしましたけど。

その日、帰宅してから家の近所のヤブ医者に行って聞いてみたら、
医学書を広げて頭をかしげていました。
何だったんだろう、と不思議に思いましたが、
あれから20年程、その奇病とはしょっちゅう再会し、
その都度、私はこの奇病に慣れて行っています。
今日もまたやってきました。

人は皆、
他人に理解してもらえない、
奇怪な経験をいくつかもっているものなのかなと今は思います。