
中学1年のある授業中。
突然口の中に違和感を感じました。
舌の裏側の真ん中に走っている舌を口の中におさえている線、
その線に両脇から繋がっている線。
その片方に、あまりにも強烈な違和感を感じたのです。
パンパンというか、
痛いというか、
張っている?
そういう。
学生鞄の中に入っていた小さな手鏡で、
舌の裏を見てみると、
その片方の線がとても腫れていて、
その線の最終地点、舌裏の真ん中あたりで、
そのリンパ腺の様なものが尖って、今にも何かを吹き出しそうになっているのです。
触ってみると、何か固くて、石が詰まっているような感じでした。
気になって気になって、
いつまでもいつまでも、授業中には舌で探り、
休み時間にはトイレの鏡で見ながら触り、
そうこうして何時間も過ぎ、
ある授業中に、そのリンパ腺が破裂したのです。
口の中に血液の味が広がって、
でも、触ってみるとそれは血ではなく、リンパ液のような透明の液体でした。
完全に鉄の味がしましたけど。
その日、帰宅してから家の近所のヤブ医者に行って聞いてみたら、
医学書を広げて頭をかしげていました。
何だったんだろう、と不思議に思いましたが、
あれから20年程、その奇病とはしょっちゅう再会し、
その都度、私はこの奇病に慣れて行っています。
今日もまたやってきました。
人は皆、
他人に理解してもらえない、
奇怪な経験をいくつかもっているものなのかなと今は思います。