こんにちは!医学生のleionです!晴れ

 

今回は、救命救急センターで病院の先生から聞いたことについてお話ししたいと思います。

 

私は今医学部6年生で、大学病院で実習を行なっています。

 

4月〜5月の初旬にかけて、救命救急センターで実習を行なったのですが、

そこで先生から次のようなお言葉をいただきました。

 

「救命センターは延命センターになってはいけない。」

 

最初は、なんとなく意味が分かりませんでしたが、実習中のある日、

生活保護を受給していて、身寄りのない方が脳出血で救急搬送されてきました。

この時、この言葉の意味が理解できたような気がします。キョロキョロ

 

救命救急センターは一般的に見れば、命の危険にある方を救命する場所というイメージが大きいと思いますが、

私が実習していた救命救急センターは、院内のICUの管理などを主に行なっていました。

当然、救急車対応もしますが、大学病院なので主なものは3次救急のみです、、、。えーん

 

結論から言えば、脳出血で搬送され、命を救うことはできたはずですが、救命措置を行いませんでしたガーン

 

単に救命するだけであれば、救命すべきだと思う方も多いかもしれません。

 

しかし、実際には救命した後、大学病院に数日間入院し、その患者さんが社会復帰し、

地域に帰すまでを考える必要があります

 

今回の場合、脳神経外科の先生から、脳出血で救命は可能だが、完全に元の状態まで回復することは難しく、麻痺などの後遺症が残る可能性が大きいとのご判断をいただいていました。

 

さらに、この方は身寄りの方がいらっしゃらず、措置を行い最大限回復できたとしても、患者さんをサポートする人がいない状況でした。

 

さまざまな家庭の事情があるとは思いますが、なんとかして繋がったご家族の方も絶縁状態で、患者さんの救命を希望していませんでした。煽り

 

それらの理由から、今回は救命措置は行わず、搬送されてから約4時間後に息を引き取られました。ショック

 

さて、本題に入っていこうと思います。

 

今回、救命措置を行わなかった理由として、

 

①措置を行ったとしても、サポートしてくれる人がおらず、社会復帰の見込みがなかった

 

②患者のご家族が救命措置を希望されなかった。(意思疎通をとることが難しく、救命措置を取らないことも希望しないとは明言されていませんでした。)

 

が挙げられます。

 

もう一つあげるとするならば、病床回転率の問題があります。(実はこれが大きな問題です。)

救命救急センターは、いつでも患者さんを救命できるように、常にICUの病床をいくつか空けておく必要があります。

 

救命措置を行っても、なかなか離床の見込みが立たず、長期の入院が考えられる場合は、

この病床回転率を下げる要因になりかねません。

病床の回転率が悪く、新しい患者を受け入れられないとなれば、救える命も救えなくなります、、、。ガーン

 

また、見方を変えれば、医療費を多く費やしてしまうことにもなりかねません。

 

 

治療後に社会復帰が見込めない、その患者のサポートが不十分になると推測される場合は、救命し社会に復帰させたとしても、生活がうまくいかず、再び病院に救急搬送されかねません。そうなってしまっては、救命というより、延命という側面が強くなってきます

 

つまり、本来救急搬送されなければ亡くなっていた命を救ったとしても、その後のことをしっかりと考えなければ、再び病院に逆戻りしてしまい、同じことの繰り返し、つまり延命しているだけになってしまうのです。

 

救命措置が延命措置になってしまわないように、救命する患者さんの将来についても十分に考えて対応していく必要があるということを今回学ぶことができました。波

 

言葉足らずで、語弊を招くことがあれば申し訳ありません。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。イルカ