以前の記事で”「母親の愛」は無償?”について書きましたが、テーマに取り上げた、NHKの「クローズアップ現代」では、別の「価値」について、道徳の授業で教える光景も紹介されていました。
次の、子どもたちに教える「価値」は、”規則の尊重”。
教材は、『星野君の二るい打』というお話です。
ちょっと今、タイムリーな話題なので、ご紹介します。
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星野君は少年野球の選手。
チャンスで打席が回ってきたとき、監督に呼ばれました。
監督は、確実に1点を取るため、送りバントを指示。
しかし、星野君は得意なコースにボールがきたため、監督の指示を守らず打ちました。
結果は二るい打、勝利に貢献しました。
ところが、試合の後、星野君は、監督の指示に従うというチームの約束事を守らなかったとして、とがめられたのです。
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この話から見えてくるのは、果たして”規則の尊重”というひとつの価値だけなのか?
教師歴25年の渋谷あゆみ先生は、同僚に相談しました。
「『規則尊重、決まりを守る』というところに収束しにくい?」と渋谷先生。
「星野君の打った気持ちもわかる」
「ただ、チームとしてはまずいのかを考えさせたい」と男性教師。
「やっぱり最後は、その価値観で落とし込まないといけないと思う」と
「『星野君の二るい打』は、決まりって大事だと落とし込むのは難しい」と渋谷先生は疑問を解消できないまま、授業に臨みました。
渋谷先生は、小学校6年生の子どもたちに、
「自分が星野君だったら、命令に従って送りバントをする」って思うか、
「いやいや、星野君の気持ちわかる、自分を犠牲になんてできないでしょ!」って思うのか?と疑問を投げかけ、意見を聞きました。
「僕なら送りバント、自分で勝手に決めてしまうと、チームのみんなが迷惑する」
「投げられた球が、自分の得意なコースにきたから、せっかくのチャンスを逃すわけにはいかない」
「監督の指示」か?「自らの判断」か?
意見が分かれる中、決まりは常に尊重されるべきなのか?答えが出ません。
ひとりの女の子が切り出しました。
「決まりは必要だけど、どんなときも守っていたら・・・
例えば、地震のときに、いつも先生の指示を聞いてと言ってるけど、自分で判断しないと、もしそれで、命にかかわることになったら・・・
決まりは必要だけど、どんなときも守るのはよくないと思う」
渋谷先生は、「うんうん、時と場合によって、臨機応変にだね?」と女の子の言葉に寄り添いました。
「決まりは何が何でも絶対に守らなくちゃいけない、守った方がいいんだけれども、やっぱりそこに、自分の判断が入ってもいいものだと思う」
と渋谷先生は最後にまとめ、「子どもたちが考えることの大切さ」を感じました。
多様なものの見方をどうすれば育めるのか、試行錯誤が続いています。
「教師のひと言で、子どもの考えを動かしてはいけない」
「この価値観はいいけれど、この価値観とはせめぎ合うよと」
「つねに盲目的にやるのではなく、いつも考えられる子であり、考え続けて欲しい」