「萬古焼」徳利 その2








前回紹介した「萬古焼徳利」の色違いです。こちらの方が色彩が豊富ですが、デザインはまったく同じです。

内型に陶土を貼り付けて成形しているようです。萬古といえば薄造りの急須が有名ですが、これはその応用編でしょう。

この徳利を手に入れたあと、自分でも作ってみようと思い、きめ細かい陶土で手びねりで作ろうと何回かチャレンジしましたが、すぐに陶土がへたってしまい形になりませんでした。

その後、この徳利は内型を用いて作ったものだと気がつきました。表面にはリズミカルに成形した作者の指の跡が残っていますが、この徳利は全てが手びねりではないのです。

高さは16cmですが、重さは120gしかありません。手に持つとあまりの軽さに驚かされます。  

前回の徳利は四国の業者さんから出てきたので、これらの萬古焼は幕末に流行った「伊勢参り」のお土産品として全国に伝わっているものかもしれませんね。

さて、秋の到来で菊もこれから各地で見られることでしょう。茶懐石のお預け徳利にどうかななんて考えていましたが、最近は自分自身が茶席に出ることもなくなったので出番はないでしょうかね。それ以前に華美な徳利は好まれないでしょうか。